温かい食べ物が欲しくなる時期「栄養を逃さない」昔ながらの知恵
茹でて良いのか悪いのか。栄養を損させない加熱食材の知恵
シチューやお鍋。おでんやコロッケなど、冬は温かい食べ物が欲しくなります。
ですがその調理法、野菜の栄養を大きく損なわせてしまっているのではないでしょうか?
今は良くても10年、20年、栄養の少なくなった料理を食べていたら、いつかは栄養が偏ってしまうかもしれません。
今のうちに、栄養を100%摂取できる食べ方を知っておきましょう。
茹でると損する野菜・得する野菜
ビタミン類豊富な野菜。
そのビタミン類は水に溶けやすく、熱で壊れやすいものがほとんどです。
ですが、一方で油と一緒ではないと体内に吸収できないビタミン類も……。
その加熱OKの野菜と、加熱NGの野菜の見分け方はとても簡単。
濃い色の根野菜は加熱してOK。
薄い色の根野菜は加熱したらNG。
そう覚えておきましょう。
【濃い色の根野菜の例】
- ニンジン
- カボチャ
【薄い色の根野菜の例】
- 大根
- かぶ
もちろん、ブロッコリーなどは濃い色の根野菜なのですが、ビタミンCが豊富なのであまり加熱してしまうともったいのないことになったりと、例外はあります。
ですが、大体の目安として、濃い色の根野菜は火を通し、薄い色の根野菜はさっと火を通すだけの方が良いと覚えた方が良いでしょう。
おでんの大根は栄養価値がほぼゼロの衝撃
薄い色の根野菜の代表「大根」。
大根の栄養素の代表はビタミンCとジアスターゼ。
ビタミンCが熱に弱いことは有名ですが、このジアスターゼもとても熱に弱い消化酵素なのです。
なので、味の染みたクタクタにおでんの大根は、実は栄養価ゼロ。
もちろん、美味しいのでたまに食べる分にはいいと思いますが、もし大根からしっかりと栄養を取りたい場合は、「皮ごとおろした」大根おろしを食べた方が良いでしょう。
大根を食べるなら大根おろしで
大根の栄養は「皮」付近に一番集まっています。
大根は良く洗って、皮ごとおろして食べるのが一番おすすめ。
ビタミンCや消化酵素のジアスターゼ、そして、血液さらさら効果やアンチエイジング効果、さらには発がん部室抑制効果のある、辛み成分のイソチオシアネートがたっぷりと身体に吸収されます。
昔の人は大根はおろして、焼き魚と一緒に食べていましたが、そういうことだったのですね!!
【大根おろしのコツ】
「大根は殿様に擦らせろ」
そんなことわざがあるのですが、大根は一気に素早くおろしてしまうと細胞が壊れて、辛みが強くなってしまいます。
なので、大根をおろすときはゆっくり優しく、「の」の字をかくようにおろしていきましょう。
捨てがちな大根のおろし汁にも栄養素がたっぷり含まれいるので、できる限り汁ごと食べましょう。
茹でないと食べられない!ジャガイモのビタミンキープ術は?
生で食べるとお腹を壊してしまうジャガイモ。
ですが、このジャガイモも、熱に弱い薄い色の根野菜。
実はジャガイモのビタミンCは、ジャガイモのでんぷんに守られていて、熱を加えても比較的損失しにくい形になっています。
ですが、皮を剥いたり、刻んだりすればするほどそのでんぷん質が壊れてしまうので、ジャガイモを茹でるときは、「皮ごと」が鉄則。
じゃがいもの皮には鉄分・カルシウムが多く含まれており、むくみ予防や血管や肌の酸化を防いでくれます。
ジャガイモを茹でるなら水から!!
ジャガイモを茹でるときは少し時間がかかってしまいますが、水の中に皮ごと入れて、そのまま品かけましょう。
先に沸騰した状態のお湯に入れてしまうと、中に火が通る前に外側のでんぷんが壊れてしまい、せっかくの栄養素を流失させてしまうことに。
「ジャガイモは太りやすい」「炭水化物の塊」というイメージがありますが、ジャガイモの持つビタミンC量は、リンゴの7倍もあるので、正しい食べ方で冬のビタミンC補充に努めましょう。
【ジャガイモの熱しすぎに注意】
ジャガイモを保存するときに冷蔵庫に入れてしまった。
そのジャガイモを高温で揚げる。そうすると、発がん性物質の「アクリルアミド」が生まれてしまいます。
ジャガイモを保存するときは常温の暗い場所で。
そして、ジャガイモを揚げたり、焼いたりするときは高温に注意しましょう。
【ジャガイモの毒にも注意】
ジャガイモの皮には栄養がとても含まれていますが、同時に芽や緑色の皮にはアルカロイド系の毒が含まれています。
食べると吐き気やめまい、下痢等を発症し、最悪死んでしまうこともあります。
緑色になったジャガイモは皮をしっかり剥いてしまいましょう。
芽が出ている場合はしっかりとえぐり取ってから。
皮ごと茹でた場合でも、皮を剥いて、スプーンで芽を取るように気をつけましょう。
※こうなってしまったら要注意※