冬至にカボチャを食べる昔ながらの理由
年に一度一番夜の長い日「冬至」にカボチャを食べる伝統
今時は「冬至」という意識もあまりなく生活している人が多いかと思いますが、昔は冬至と言えばかなり幸せなイベントでした。
そんな冬至にはゆず湯に入るほか、カボチャを食べる習慣があったのですが、そこにはちゃんとした理由があるのです。
今回は冬至に焦点を当て、カボチャを食べることがおすすめな理由も説明したいと思います。
冬至とは?
冬至とは、太陽の位置が一年で最も低くなる日で、夜が一番長い(昼が一番短い)日になります。
大体12月の中旬のどこかに当たるのですが、2017年は12月22日。
この日は一陽来復といって、太陽の力が一番弱い日であるものの、翌日からは再び日が長く、温かくなっていくことから、運気上昇の目印の日とも言われているのです。
今では太陽暦ですが、太陰暦を重んじる中国などでは、かなりこの冬至、重んじられています。
冬至にやるとよいとされていること
- 冬至には「ん」の付いたもの「ニンジン」「レンコン」「うどん」等を食べると「運」が呼び込めると言わrています。
- かぼちゃを食べると良いと言われています。
- 柚子湯に入ると1年間病気をしないとも言われています。
- こんにゃくを食べる地方もあります。
(体に溜まった砂を出すので、腸の砂おろしと呼んでいます)
どうして当時にかぼちゃを食べると良いといわれているのか?
冬至が伝わってきた中国的に説明すると、かぼちゃは漢字で書くと「南瓜(なんきん)」。
「ん」が2つも入っていますし、「きん(北)」から「南」つまり、運気が陰から陽へと向かうことを示しています。
ですが、そんなゲン担ぎ的な理由だけではありません。
昔は冬になると食べ物が手に入りにくくなり、冬はまさにサバイバル。
とくに冬至はそんなサバイバルの中央に位置する「死に最も近い日」ですので、その日に保存が効くかぼちゃを食べて、精をつけるという意味合いもあったのです。
かぼちゃは栄養価が高く、βカロチン・ビタミン・カルシウム・鉄・カリウムなど栄養バランス最高。
このカロチン・ビタミンのおかげで冬の風邪に引きにくくなるほか、かぼちゃに含まれる「ルテイン」には視力低下や、目の病気を予防してくれる効果が期待できます。
かぼちゃの種は漢方薬にも!!
その実だけでもとても栄養のあるかぼちゃですが、中のワタに含まれる「種」は、本体よりも栄養が凝縮されていて、「南瓜仁」という漢方として使われるほどです。
昔の人は、こうしたことを知っていて、どんどん寒くなる冬にかぼちゃを食べたんですね。
冬至にお勧めかぼちゃの伝統レシピ
冬至と言えばこれ!!「小豆がおいしい冬至粥」
昔は土鍋や釜で作っていたのですが、今どきは炊飯器でスイッチ1つでできるので、とても簡単です。
■材料■
- 小豆
- 米
- かぼちゃ
- 塩少々
■作り方■
※あらかじめ小豆はふやかして、使いやすい状態にしておきましょう。
もし、時間がない場合は、水炊きの小豆(ただし無糖)を使うと楽です※
- 研いだ米と小豆、一口サイズに切ったかぼちゃを炊飯器に入れる。
- 「お粥」の設定で、水を合わせて、スイッチを入れる。
- 完成したものの、米や、小豆に芯が残っているようなら、小鍋にあけて弱火で混ぜながら火を通しましょう。
- 食べるときにお塩をかけて食べると、素朴な味わいが楽しめます。
■今どきアレンジ■
素朴な味もいいけれども、今風にするならお粥を作るさいに「コンソメ」を1~2個いれてリゾット風に。
味付けもしっかりつくのでとても食べやすくなります。
かぼちゃと小豆で従兄弟!?「かぼちゃのいとこ煮」
固いものをおいおい(甥々)入れて、めいめい(姪々)に炊き上げるから「いとこ煮」と呼ばれるようになった、甘い煮物。
■材料■
- かぼちゃ
- 小豆
- 砂糖
- 醤油
■作り方■
※あらかじめ小豆はふやかした後、水炊きして、使いやすい状態にしておきましょう。
もし、時間がない場合は、水炊きの小豆を使うと楽です。砂糖入りの缶を使う場合は砂糖少な目で※
- 小豆と、一口大に切ったかぼちゃを水に加えて、20分ほど煮る。
- 火が通ったら、砂糖と醤油を加えて落し蓋(ない場合はアルミホイル)をして、さらに10分ほど煮込んで完成。
- 冷めても味がしっかり通っているので、お弁当にもお勧めです。
■今どきアレンジ■
そのままデザートとしても食べられそうな、甘めの煮物。
余った時は、いとこ煮を潰して、「餃子の皮」で包んでオーブンで軽く焼き、「おやつ」として食べましょう♪
餃子の皮の代わりに、冷凍のパイシートで包んでもとてもおいしいです。
【豆知識】かぼちゃを切るのが大変な時は……
硬いかぼちゃ。切るのがとても大変ですが、半分に切ってあるものを買った場合は、「ワタと種を除き」そのままレンジで1~2分ほど加熱するととても切りやすくなりますよ。
※種をつけたままだと、爆発する可能性があるのでご注意ください。