100%大豆の栄養を自分の物にできる昔ながらの知恵
日本人だからこそ「大豆」を美味しく効率よく食べよう
味噌に醤油、豆腐に納豆。
世界を見ても、こんなにたくさんのバリエーションで、こんなにたくさん大豆を食べる民族は日本人くらいと言われています。
そんな私達だからこそ、美味しく、そして余すことなく大豆の栄養を摂っていけるようにしたいですね。
大豆の栄養素
「畑の肉」と呼ばれるほど、肉に匹敵する量のタンパク質を含んでいる大豆。
その質は、肉や卵に負けない良質のタンパク質で、しかも大豆タンパクの消化吸収率は納豆で91%、豆腐で95%ととも言われています。
大豆にはタンパク質の他に、コレステロール値を下げる「大豆レシチン」、腸内環境改善に役立つ「オリゴ糖」、抗酸化作用の「大豆サポニン」、女性ホルモンと類似した「イソフラボン」が含まれており、健康にも美容にも優れた食物と言えるでしょう。
大豆の必要な摂取量
大豆を無理なく、かつ適切な量を摂取するには「和食」が一番。
厚生労働省は1日に「100g」以上の大豆を摂取することを推奨していますが、これは納豆なら2パック。
豆腐なら約1/2丁、豆乳なら200ml。
この量は、味噌汁や納豆を毎日のように食べていれば、すんなり摂取できる量なのです。
味噌汁は50度がベスト温度!?
「三杯以上の味噌汁が乳がん発生率を40%減らす」「味噌が胃がんリスクを低減させる」と、大豆で作られている味噌のがん抑制効果について、よく健康番組で言われていますが、そんな味噌もいつもの味噌汁の作り方では大損だったのです。
【味噌汁は火を止めてから10分後に味噌を入れよう】
普段味噌汁を作るときに、沸騰したお湯の中にそのままドボンと味噌を入れていませんか?
それNGです!!
味噌の中の乳酸菌は50度で死んでしまい、味噌の酵母も70度で全滅してしまうのです。
わかっている方は、味噌の香りを活かすために火を止めてから味噌を溶きますが、それでもまだまだお湯の温度は熱い。
火を止めてから少なくとも10分以上おいて、お湯の温度が50度以下になってからお味噌を入れると、風味はもちろん、酵母や乳酸菌の生きた、よい味噌汁が作れます。
味噌汁の温度は食べ頃温度が味噌にとってもベスト
納豆も熱々ご飯にかけないで!!
味噌汁の時と同じように、納豆も大豆を納豆菌で発酵させて作っています。
この納豆菌、雑菌などには強いのですが、熱にはとても弱い菌。
ですので、納豆を食べるときは熱々ご飯の上には乗せず、そのままの小鉢で食べたり、少し冷めたご飯の上に乗せて食べましょう。
因みに、納豆は冷凍することによって長期保存が可能となりますが、解凍する際は電子レンジを使わず、自然解凍で食べるようにしましょう。
ご飯は少し冷ましてから納豆を乗せましょう
大豆発酵物は熱に弱いけど大豆は熱に強い食べ物
味噌や納豆が熱に弱いと聞くと、大豆自体熱に弱い食べ物ではないかと思ってしまうかもしれません。
ですが、熱に弱いのは味噌の酵母菌や乳酸菌、納豆菌などであって、大豆自体は熱に強いので、豆腐や納豆などの加工過程で熱を入れている食べ物についても、大豆の栄養素はそのまま活かされているのです。
むしろ、大豆イソフラボン等は熱を通した方が吸収率が上がることがわかっていますので、毎日少しずつ、豆腐や納豆、味噌汁などを飲んでいきたいですね。
木綿豆腐VS絹ごし豆腐
味噌や納豆と違い、そのままの大豆を食べることとなる「豆腐」。
しかし、豆腐は大まかに「木綿豆腐」と「絹ごし豆腐」に分けることができますが、これはどのような違いがあるのでしょうか?
【木綿豆腐】
豆乳ににがりを加え、一度崩してから、圧力をかけて水分を出して固めたもの。
木綿豆腐は型に「木綿」を敷いてそれで絞って作るので、木綿豆腐と称されています。
固くて形が崩れにくいので、煮物や鍋物によく使われます。
【絹豆腐】
豆乳ににがりを加えた後、そのまま固めた物が絹豆腐。
木綿豆腐と違い、別に絹を使って絞ったわけではなく、「絹目より細かい豆腐」ということで「絹豆腐」「絹ごし豆腐」と呼ばれるようになりました。
柔らかく喉ごしが良いので、豆腐そのものを楽しむ湯豆腐や、冷や奴によく使われます。
この絹ごし豆腐と木綿豆腐。
どちらも低カロリーで良いのですが、よりヘルシーに食べていきたいならば、「絹豆腐」の方がおすすめ。
木綿豆腐はカロリーが絹ごし豆腐の1.2倍と少し高め。
また、水分を絞って作る木綿に比べて、絹ごしの方が水分量が多く、カリウムやビタミンB群が多く含まれているため、むくみ防止にも絹ごし豆腐の方がおすすめなのです。
このように、「大豆の発酵物は極力熱を加えない」「豆腐は絹豆腐を選ぶ」などをすると、いつもよりももっと、大豆の栄養素を多く摂ることができるでしょう。