「ごますり」で嬉しい昔ながらの知恵
「ゴマ」はすらないと大損!? 胡麻をすることの大切さ
白・黒ともに、身近な存在の「胡麻」。
実はこの胡麻、そのまま食べていてはなんの栄養価値もない食べ物だったのです。
最強のアンチエイジング食材とも言われる胡麻。
その胡麻を美味しく、かつ栄養吸収をよくして食べることができる昔ながらの知恵をお伝えいたします!!
胡麻のアンチエイジングは食材最強
胡麻の一粒の中には、水溶性ポリフェノールであるセサミンや、セナモリン、セサミノール、ゴマリグナンなどのゴマ独自の栄養素が含まれています。
この栄養素は、体内の活性酸素を取り除く効果に優れていて、コレステロールの低下作用や、アルコール分解機能、さらには老化を防ぐアンチエイジング機能として優れた効果を発揮するものだとわかったのです。
また、胡麻の成分の半分は脂質(油)なのですが、この胡麻の油……つまり胡麻油はリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸でできているため、油なのにコレステロール値を下げる働きがあるのです。
油を摂取して血液がサラサラになる効果が期待できるのは、うれしいところですね。
そして、残りの約半分は、必須アミノ酸を含んだ良質のタンパク質。
そのため、胡麻と大豆は一緒に食べると一層の効果が認められる、よい組み合わせなのです。
最後に、胡麻の残った成分は、カルシウム・マグネシウム・鉄分、そして「ビタミンE」。
胡麻のビタミンEは抗酸化力の弱いものなのですが、ゴマナクリンという成分と合体すると、がっつりとした抗酸化作用を発揮することができる、小さなアンチエイジングサプリメントのようなものなのです。
アンチエイジング以外でも期待できる効能
- 美肌効果
- ダイエット効果
- 二日酔い開演
- 認知症予防
- 便秘予防
胡麻の一日のおすすめ摂取量
胡麻のおすすめの摂取量は1日に大さじ1~2杯。
結構多いように感じますが、胡麻和えにすると小鉢1皿分で大さじ1杯くらいなので、1品そういった物を頼むだけでもいいかと思います。
因みに、胡麻1000粒で小さじ約1杯になります。
栄養満点の胡麻だけど……食べ方に注意!!
胡麻は胡麻の花の種子、つまり種になります。
この種子という物は、一粒が小さい上に固い皮に覆われているため、そのまま飲み込んでしまっても胃の中でうまく消化できず、栄養分を吸収することができないのです。
つまり、丸ごとの胡麻を食べても、歯で噛まれることのなかった胡麻はそのまま、身体を通って便と共に排出されてしまうことになります。
そんな胡麻を上手に食べるコツは「擦る」こと。
ただし、すってしまった胡麻はとても酸化しやすいので、できれば丸ごとの胡麻を買って、食べる直前にすり鉢とすりこぎですって使うようにしましょう。
今時では100円で小さなすり鉢とすりこぎが売っていますので、薬味のような感覚でテーブルに置けると楽かもしれません。
さらにおすすめなのは「煎り胡麻」
すった胡麻を煎ることによって、セサモリンという成分が分解、セサモールという、さらに抗酸化作用の強い成分に変身します。
このセサミノール。セサモリンに比べてアンチエイジング機能が3杯、肝機能の補助もしてくれるという、スーパー栄養素なのです。
だからといって安易にごま油に走るのはNG
「すった胡麻のほうが良いなら、ごま油でいいじゃないか」と思われることも多いのですが、やはりそこは「油」。
取り過ぎると吹き出物や、太ってしまう原因にも……。
ですので、ごま油はあくまでごま油として、調理に必要な分量だけ使い、アンチエイジング機能を期待するのであれば、胡麻をすり下ろして、食べるようにしましょう。
胡麻の色の違いって?
白・黒・そして「金」まである胡麻の種類ですが、実は栄養素に大きな違いはなく、色や風味が微妙に違うだけ……ということです。
ですが、若干ですが、栄養素に違いはあります。
- 黒ごまはポリフェノールが多め
- 金ごまにはフラボノイドが含まれている
- 白ごまはリノール酸・オレイン酸が多い
昔ながらの味「白和え」の作り方
胡麻の最強の組み合わせが「胡麻+豆腐」。
この組み合わせは「白和え」ともいい、昔からある美味しくて栄養抜群の食べ方なのです。
そんな白和えの簡単なレシピをご紹介します。
【ほうれん草の白和え】
■材料■
- ほうれん草
- 塩少々
- 絹ごし豆腐
- みりん
- 胡麻
- 醤油
- 甘いのが好きな方は砂糖少々
■作り方■
①ほうれん草は塩を軽く入れた熱湯で茹で、冷水で洗ったら水気を取り、2センチ位の長さに切ります。
②豆腐はレンジで加熱し、水気を取るか、キッチンペーパーで包み重しをして、水気を取りましょう。
③すり鉢に、胡麻、水気を取った豆腐、みりん・醤油・砂糖を入れてよくすり、混ぜ合わせます。
④ほうれん草に③を和えて完成。