シイタケは干して栄養を増やす昔ながらの知恵
そのまま食べたら損!? シイタケは一手間で倍以上の栄養に
普段スーパーでシイタケを購入したら、そのまま調理に使っていませんか?
実はそれ、とても損をするシイタケの食べ方だったんです!!
シイタケは一手間かけることで、栄養も日持ちもぐーんと伸びる、ちょっと不思議な食べ物だったのです。
買いたての椎茸はビタミンDが「ゼロ」!?
シイタケと言えば「ビタミンDたっぷり」というイメージがありますが、実は、出荷したてのシイタケにはビタミンDはほぼほぼ含まれていません。
シイタケというのは日に当たる=紫外線に当たることでビタミンDを生産していく、いわば人間と同じようなメカニズムを持っているため、温室で育てて箱に入れてスーパーまで運ばれてきたシイタケはビタミンDを生産する機会がありません。
ですので、調理前に、30分でも1時間でも天日干しすることによってビタミンDが大幅に増え、なんとそのまま食べるよりも10倍以上の栄養価が得られることになります。
もちろん、パック詰めにされて石付きが落とされた状態の物でも大丈夫。
さらに、ビタミンDだけではなくビタミンB1や食物繊維も天日干しにすることで10倍アップしますので、シイタケは日に当てなければ大損。
できれば干しシイタケに
天日干しをおすすめするシイタケですが、できれば数日干して「干しシイタケ」にするのがおすすめ。
売っている干しシイタケも、中には熱風で乾燥させただけのものもありますし、ビタミンDを確実にアップさせるには、自分で干しシイタケを作ってしまいましょう。
【自家製干しシイタケの作り方】
ザル、若しくは野菜用ネットを使い、シイタケを並べて日当たりの良いベランダなどに干すだけ。
ただし、シイタケを干す際は、必ず「カサを下に」置きましょう。
カサが上になっていると、乾燥している間にカサから胞子が落ちて、そこから黒ずんでしまい見た目も味も落ちてしまいます。
干す時間は最低30分でも大丈夫ですが、1~2日干してしっかり水分を抜くと保存もでき、更に味も一層美味しくなります。
しっかり干したい際は、スライスして干すのもおすすめです。
【干しシイタケの美味しい戻し方】
ただ水に入れただけでは、せっかく美味しくできた干しシイタケの味も半減。
干しシイタケを美味しく戻すには、軽く水洗いした干しシイタケを「カサの裏が水に浸るよう」にし、ラップを容器ではなく、「水の上に密着させるように」被せて冷蔵庫へ入れましょう。
一晩置くと、10倍に増えた旨味成分がしっかりほぐれ、汁にも干しシイタケにも染みこんでいます。
干しシイタケは、ピェンロー鍋などで食べるとたくさん食べることができておすすめです。
食物繊維の塊「ピェンロー鍋」の作り方
ピェンロー鍋とは「扁炉鍋」とも書く、中国のお鍋。
中国は広いので、地方によっては知らないこともあるのですが、小説家の妹尾 河童さんが書いたことで日本でもよく知られるようになりました。
日本の鍋とは違い独特の作り方をするお鍋ですが、干しシイタケをフルに活用出来るので、ぜひ食べていただきたいお鍋なのです。
■材料■
- 干しシイタケ(戻し汁も)
- 白菜
- 鶏肉
- 豚肉
- 春雨
- ごま油
- 塩
- べったら漬け(あれば)
- ご飯(あれば)
■作り方■
①干しシイタケは薄切りに、白菜は白い部分は細い千切りに、葉の部分はざく切りに。
豚肉、鶏肉は食べやすい一口大の大きさに切りましょう。
②干しシイタケの戻し汁を鍋に入れ、そこに①の材料を入れます。
③材料に火が通ったら、ごま油をお鍋1周分まわしかけ、そこから更に10分ほど煮込みます。
④全体がしんなりと火が通ったら、春雨を入れ、更にもう一度ごま油を回しかけます。
⑤春雨にも火が通ったら完成。
⑥味付けがされていないので、自分の器に具と汁を入れ、そこに塩(好みで七味唐辛子も)入れて、好みの味付けにしましょう。
このピェンロー鍋は、各々の味付け(塩加減)で味が代わり、人によってはごま油を足したりするため、「アナタはどんな味?」「一口食べさせて?」と家族で互いの味を楽しむことができるお鍋なのです。
また、たくさんの干しシイタケと白菜で食物繊維もたっぷりとれ、更にごま油でお通じも良くなるので、寒い冬に1度は食べたいお鍋です。
締めに、残った汁にご飯を入れて、おじやにし、そこにべったら漬けを合わせて食べると、とてもオイシイので、ぜひお試しください!!