冷凍キノコで栄養も美味しさも日持ちも3倍にできる昔ながらの知恵
キノコ類はまとめ買いで冷凍保存! 美味しさ・栄養・日持ちのトリプルアップ
食物繊維も栄養素も優れた食材「キノコ」。
できれば毎日食べたい食材ですが、できたらまとめ買いしておきたい物。
コストコなどで大量に購入してしまうと、その保存に困ることもありますが、キノコ類はなんと「冷凍保存」が可能。
そして、冷凍保存したキノコ類は、栄養も・美味しさも3倍アップするのです。
キノコ類は一手間かけると栄養価がアップする食べ物
シイタケは日に当てるとビタミンD等は10倍もアップすることは知られているかもしれませんが、シイタケに限らずキノコ類は一手間かけると、美味しさも栄養価もぐーんとアップするのです。
もちろん、日に当てて干しキノコを作るのも良いのですが、ちょっと手間。
そんな時には、「冷凍キノコ」を作りましょう。
生のキノコ類は、実はほぼ旨味成分というものを感じることができません。
採りたてのキノコが美味しく感じられるのは、香りが強く残っているから。
実際キノコの旨味が出るのは、キノコの細胞が壊れ中から旨味や栄養成分が出たときだったのです。
冷凍すると水分が膨張し、キノコの細胞が壊れていきます。
そうすると、RNA分解酵素という酵素が働き、旨味成分を作り出すようになります。
ここで初めてキノコの中で旨味成分が生まれ、舌でも旨味をより感じられるようになり、また旨味成分である「グアニル酸」や「アスパラギン酸」が3~4.5倍にも増えるのです。
グアニル酸・アスパラギン酸
キノコを冷凍することによって増える「グアニル酸」「アスパラギン酸」ですが、基本的に「旨味成分」として知られていることのほうが多いかもしれません。
ですが、このグアニル酸やアスパラギン酸には優れた効果・栄養があります。
【グアニル酸】
干しシイタケに含まれる旨味成分でおなじみ。
グアニル酸はエリタデニンという成分と協力し、血中コレステロール値を下げる働きをすると言われており、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病予防が期待できます。
【アスパラギン酸】
アスパラに含まれる成分でおなじみ。
タンパク質の合成や、利尿作用を利用し、毒性のあるアンモニアを効率よく体外に排除する手助けをしてくれます。
また、疲労回復なども期待されており、アスパラギン酸入りの栄養ドリンクが売られているのもこのためです。
カリウム・マグネシウム・カルシウムなどを体内へ運ぶ作用もあるので、キノコの中のミネラル成分を上手に吸収させてくれる効果が期待できるのです。
冷凍キノコにするならこのキノコ
【マイタケ】
ダイエット効果が期待できる、MXフラクションという成分を持つマイタケ。
ダイエット以外でも美白効果があると言われており、女性に嬉しいキノコですが、この貴重な栄養素は80度以上の温度で壊れてしまいます。
冷凍したマイタケは、味噌汁やスープの仕上げに凍ったまま入れて、さっと温めるだけにしましょう。
もちろん、冷凍されているので、旨味はすぐに出ます。
【ブナシメジ】
ビタミンB群が多く含まれ、美肌効果や代謝アップが期待できるブナシメジ。
水気を含むとすぐに痛んでしまうので、やはり冷凍保存がおすすめ。
小分けして冷凍しておけば、煮物や炒め物、味噌汁の仕上げにぱらぱらっと入れるだけですみます。
【エノキダケ】
キノコキトサンという、キノコ特有のコレステロールや中性脂肪を減らす作用のある栄養素がキノコ類で最も多く含まれているエノキダケ。
冷凍することにより、このキノコキトサンは何倍もアップするのですが、更に冷凍エノキダケをミキサーにかけ細胞を粉々にすることによって、12倍も増えるということが知られています。
キノコスープやリゾットなどの仕上げに入れるだけで、風味も、栄養素もぐーんとアップします。
冷凍キノコを作る注意点
- 石づきを除きましょう。
石づきがついたままですと、調理の際に一度解凍し石突きをとらないといけなくなるため、初めに石づきは切り落としておきましょう。 - 水洗いはせずそのまま冷凍。
キノコは水が付いた部分から傷んでいきます。
とくに汚れが気にならない場合は、そのまま食べやすい大きさに切って冷凍しましょう。
汚れが気になる場合は、キッチンペーパーで拭き取るか、さっと水洗いして、良く水気を拭ってから冷凍しましょう。 - ジップロックなどに入れてそのまま冷凍。使用時は解凍せずに調理。
一度冷凍されたキノコは細胞が壊れ、茹でた状態と同じになっています。
そこでさらに解凍して調理してしまうと、せっかくの栄養素が全部流れ出てしまいますので、凍った状態のまま、お鍋やフライパンに入れるようにしましょう。 - 冷凍キノコの保存期間はおおよそ1ヶ月。
冷凍されているからとあまり長い間放置するのはやめましょう。