サツマイモの麦芽糖を5倍に増やす昔ながらの知恵
サツマイモをより甘く、より栄養豊に食べる焼き方のコツ
甘くて美味しいサツマイモは、おやつやちょっとしたおかずにも最適な素材。
ですがこのサツマイモ、加熱の方法を間違えてしまうと、甘さが5分の1まで減ってしまうということは知っていましたか?
せっかくよいサツマイモを買ったとしても、甘さが抑えられてしまっては勿体ない!!
今回はそんなサツマイモの糖度を存分に活かす方法をお伝えします。
サツマイモの栄養は「糖分」だけじゃない
サツマイモには甘い糖分がたくさん含まれていますが、それ以外にも優れた栄養素が含まれているのです。
【ビタミンc】
ビタミンcは大抵熱に弱く、水で洗っただけでも流されてしまうことが多いのですが、サツマイモのビタミンcはなんと熱に強い性質のもの!!
ビタミンc自体がサツマイモのデンプンに守られているため、加熱してもビタミンcが壊れにくいのです。
もちろん、デンプンが壊れてしまうほどの急加熱や、焦げ焦げになってしまうほどの加熱ではビタミンcが壊れてしまいますので、加熱はじっくり行いましょう。
【食物繊維】
サツマイモと言えば食物繊維。
よくサツマイモを食べると「おなら」が出てしまう……なんてことも言われたりしますが、それもサツマイモの食物繊維が腸を刺激しているから。
甘くておやつにもなるのに、食物繊維が豊富なんて、女性の味方ですね。
【ポリフェノール】
サツマイモの皮には「ヤラピン」という成分が含まれています。
ヤラピンは胃の粘膜を保護して、腸の動きを活性化してくれる食物繊維のアシスタントのような成分なのですが、さらに、皮にはポリフェノールも豊富に含まれているのです。
ポリフェノールは抗酸化作用があり、アンチエイジング効果が期待できるので、サツマイモを食べるときはぜひ、皮ごと食べるようにしましょう。
糖度を増やす知恵ある加熱の仕方
サツマイモはポリフェノールやビタミン、食物繊維などの栄養が豊富に含まれた美味しくて身体に良い食べ物なのですが、芋類のため、人間である私達は生のまま食べることが出来ません。
ですが、手軽に食べたいからといってレンジで手軽にチンして加熱するのはおすすめできません。
サツマイモの甘さは、サツマイモに含まれるデンプンが「麦芽糖」という糖に変わることによって生まれる甘さなのですが、この麦芽糖は60~70度の温度で活性化されます。
電子レンジなどでは、加熱はあっという間にできるのですが、その分加熱速度もあっという間。
デンプンが麦芽糖に変わる前に、火が通ってしまい甘みも麦芽糖もなくなってしまうのです。
実は、麦芽糖にも腸の動きを活性化する力があるため、麦芽糖は多いに越したことはないのです。
また、人間は「美味しい!!」と感じると、栄養吸収率がアップすると言われています。
甘くない焼き芋・ふかし芋を食べるよりも、甘くて美味しい焼き芋・ふかし芋を食べて、通常の5倍もの栄養を取れるようにしましょう。
昔ながらの美味しい焼き芋の作り方
しっかり栄養と甘さを引き出す焼き芋を作るならば、160度~180度のオーブンでじっくり1時間かけて焼くのがおすすめ。
もし、ふかし芋を作る場合だとしても、蒸し器で弱火でじっくりと加熱していきましょう。
もちろん、少々手間がかかるため、手抜きをしたい場合はアルミホイルに包んで、オーブントースター、若しくは、魚焼きグリルで焼きましょう。
その時も40分くらいかけて、じっくりと火を通していくのがベスト。
今時は炊飯器で作るのもあり!!
オーブンやグリルでじっくりと焼いて作るのがベストですが、ずっと火の番をする時間も無い……。
そんな現代人には「炊飯器で焼き芋」がおすすめ。
炊飯器で加熱すると、まるで石焼き芋のような「ねっとり」とした甘さを楽しむことができ、実はテレビでもおすすめされた方法です。
そんな炊飯器で作る焼き芋の作り方は……。
- サツマイモを洗い、炊飯器に入るような大きさに適宜切ります。
- 水100CCを炊飯器に入れ、サツマイモも一緒に入れます。
- あれば「玄米モード」で炊飯。なければ、通常の炊飯のスイッチを押し時間まで放置。
- このままでも美味しいのですが、出来上がったサツマイモもフライパンで皮に焦げ目が付くまで焼くと、香ばしい焼き芋になります。
【注意点】
あまりサツマイモの大きさが大きいと、中まで火がしっかりと通りきらず、中心の方が甘みがなくパサついてしまうことがあります。
細めのサツマイモでも、できるだけ切って入れた方が美味しい焼き芋が出来上がるでしょう。