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キュウリのビタミンB1を8倍にする昔ながらの知恵

健康の知恵袋
キュウリのビタミンB1を8倍にする昔ながらの知恵

世界一栄養のない野菜も昔の知恵でビタミンの宝庫に!!

世界一栄養のない野菜』としてギネス認定までされてしまった、ちょっと不名誉な野菜「キュウリ」。

ですが、このキュウリ。
身体の中にたまった熱を冷ましてくれたり、利尿作用で身体のむくみをとったりと、実はけっこう身体の役に立つ栄養が詰まっているのです。

もちろん、昔の人はそこに一手間加えて、ビタミン力をパワーアップさせる方法を知っていました!!

キュウリにもある栄養素

栄養がないと思われがちなキュウリですが、一応、身体に良い栄養素が含まれています。

キュウリに含まれるアミノ酸の一種である「シトルリン」は、血管を拡張刺せる効果があり、血流を改善したり血管年齢を若くする効果が期待できるといわれています。

また、95%が水分であるキュウリですが、この水分。
ただの水というわけではなく、カリウムが豊富に含まれているデトックスのお水。

体内の余分な塩分を排出してくれ、むくみを解消・予防してくれます。

もちろん、この水分には身体を冷やす効果もあるため、夏場の火照った身体をス……と冷やすのに役立ちます。
ここは、やっぱり夏を代表する野菜ならではですね!!

冷やし中華

一手間かけてビタミンB1アップ!!

さて、キュウリといえば……キュウリのぬか漬けですよね?

ご飯のおかずにも、お酒のおつまみにも、一昔前は子どものおやつとしても美味しく食べられていたぬか漬けは、日本人の味の故郷でもあり、知恵の結晶でもあります。

キュウリは確かに、他の野菜に比べあまり栄養素を持っていませんが、ぬか漬けにすることによって、ぬかの栄養素をグングン吸収。
疲労回復効果のビタミンB1は8倍に。
カリウム・ビタミンKは3倍に。
ビタミンCも1.5倍に急増します!!

さらにはぬかの乳酸もしっかりキュウリが吸収してくれるので、腸内環境改善にかなりの効果があり、免疫力アップ・美肌効果・さらには花粉症等のアレルギーの緩和などにも役立ちます。

ぬか漬け

ビタミンB1の効果とは?

ビタミン類の中でもB1は、ちょっとパッとしないイメージですが、日本人にとって最も大切なビタミン類だとも言えるでしょう。

一昔前、日本人は白米よりも玄米を中心とした食生活でした。
しかし、江戸時代以降はぬかを取り除いた精白米が中心となりなした。
そのため、江戸では、「脚気」と呼ばれる、足のむくみや痺れ、倦怠感を伴う江戸患いが流行したほどです。

それくらい……と馬鹿にしてはいけません。
脚気、つまりビタミンB1不足によって、江戸時代では死者が出るほどだったのです。

それほど大切なビタミンB1ですが、今はインスタント食品やファーストフードの増加で、再び脚気にかかる人もでるようになってしまいました。

ビタミンB1は、糖質の代謝に必要不可欠な栄養素で、白米や甘い物、お酒が好きな人ほど大量に消費してしまいます。

また、アスリートとまではいかなくとも、運動をする人もビタミンB1の消耗が激しいため、ビタミンB1が不足すると筋肉疲労が取れなくなってしまいます。

因みに、頭や神経を酷使する仕事の人も、脳の働きを維持するために多くのビタミンB1が多く必要となります。

頭がぼーっとする、すぐ夏バテする、疲れやすいといった場合でもビタミンB1が不足していることもありますので、そんなときは効率よくビタミンB1を取り込むことのできる、キュウリのぬか漬けを食べると良いかもしれません。

江戸時代

手間のかからないぬか漬けの作り方

ぬか漬けと言えば、毎日ぬか床を混ぜて、水気が出てきたらキッチンペパーで吸い取って……とちょっと手間のかかるイメージがあります。

場合によっては旅行などで毎日かき混ぜることができない場合もありますので、そんな時は「市販のぬか床」を利用すると、手軽に作れます。

今時では、容器ごとセットになっていて、板ずり(塩を振ったまな板の上でキュウリを転がし、キュウリの苦みの元となるアクをとる行為)をしたキュウリをそのまま入れて、冷蔵庫で半日~1日寝かせれば完成という物が売られています。

冷蔵庫に入れておけば、3日~1週間くらいは混ぜなくてもカビが生えませんし、臭いも外に漏れません。

味の調節も簡単ですし、夏の間だけでも毎日美味しいぬか漬けを食べたい場合は、とてもおすすめです。

他にもキュウリは生で食べない方が良い理由が?

ビタミンB1アップのために、ぬか漬けがおすすめなキュウリですが、他にも別な理由で生で食べない方がいいこともあります。

実は、キュウリに含まれる酵素「アスコルビナーゼ」には、他の食品のビタミンCを酸化させてしまう効果があるのです。
ですので、キュウリを他の食材と食べる場合は、油で炒めてアスコルビナーゼの活動を止める、お酢を使って酸化を防止するなどした方がよいのです。

キュウリの炒め物

せっかくのキュウリ。
サラダに入れずに、一手間かけて炒め物にしたり、ぬか漬けにして食べてみましょう。