茶殻を捨てずに有効利用する昔ながらの知恵
緑茶も紅茶も「茶殻」の栄養は7割も残ってる!!
最近ではお茶を飲むと言っても、お茶っ葉から入れてお茶を飲む人は少なくなったかもしれません。
確かに、お湯を沸かし茶葉を蒸して……とやるよりも、ペットボトルのお茶をドンと出した方が早くて楽なのですが、茶葉から入れたお茶に叶う美味しさはなかなかありません。
それに、「お茶の出がらしを捨てるのが手間」「茶殻が勿体ない」という意見も多く、やはりペットボトルのお茶が主流となってきていますが、実は茶葉は出がらしになっても捨てるところがないのです!!
そんなお茶の葉について、今回は昔の人からの知恵を拝借してみましょう。
茶殻には○割の栄養が残っている!?
緑茶は健康に良いことが知られていますが、その内容はビタミンCや茶カテキンが多く含まれているから。
日頃から緑茶をよく飲む地方では、肌の色が白いと言われているのですが、それもお茶に含まれるビタミンCを常飲しているからでしょう。
他にも、ビタミンEやβカロテンなども含まれており、また、除菌成分によりインフルエンザ予防にも良いとされています。
そして、紅茶。
紅茶は緑茶を発酵させたものなのですが、発酵の過程で茶カテキンとは異なる「紅茶ポリフェノール」というものができます。
この紅茶ポリフェノール。
抗酸化作用があり、アンチエイジング効果やダイエット効果があると、美容にうるさい女性達にも人気。
血糖値の上昇を抑制したり、高血圧予防、ノロウイルスを消毒する作用などもあると言われ、注目されています。
もちろん、紅茶も緑茶も何かしらのガン発生リスクの低減作用があると言われている、とても健康によい飲み物なのですが、これらの茶葉の栄養には「水溶性」と言って水に溶けるものと「脂溶性」と言って、油にしか溶けないものがあります。
水溶性の栄養はお湯を注いで飲むことで、水分として吸収できるのですが、脂溶性の栄養は「出がらし」の茶葉に残ったまま。
その量なんと……7割!!
そう、実はお茶として飲むだけでは、茶葉の栄養の3割しか吸収できていないことになっていたんですね。
【茶殻に残る栄養】
- βカロテン……ニンジンの2.4倍
- ビタミンE……ほうれん草の25倍
- 茶カテキン
- 紅茶ポリフェノール
等
これら、茶殻に残ってしまった脂溶性の栄養は、ゴミ箱に捨ててしまえば「生ごみ」となって終了ですが、口に入れて食べることによって、自分の栄養になるのです!
「でも、茶殻を食べるなんて……」と思う方も多いかと思いますが、ご安心ください。
昔の方は茶殻も美味しく食べる方法を、ちゃんと考えていたんです!!
緑茶の茶殻の美味しい食べ方
緑茶の出がらしはあっさりとしたお茶の風味が楽しめるため、和食にうってつけ。
基本的に出がらしの茶葉は良く乾燥させて使うと、日持ちもしておすすめです。
一番簡単な緑茶の茶殻の食べ方は「ふりかけ」や「天ぷら衣」でしょう。
【緑茶のふりかけの作り方】
- 乾燥させた緑茶の茶殻をミキサー、もしくはすり鉢で粉末状にする。
- そこに、少量の塩・胡麻を加えさらに細かくすり混ぜて完成。
温かいご飯に振りかけると、仄かな緑茶の香りも楽しめる、栄養抜群のふりかけに。
お握りに混ぜて食べても美味しくなります。
【茶衣の天ぷら】
- 天ぷら粉の中に出がらしの茶葉を大さじ1~2くらい混ぜる。
- そのまま、規定量の水で溶かし、お好きな食材の衣として油で揚げて完成。
緑茶の成分が油ものでもあっさりと仕上げてくれ、どんな食材でも和風に仕上げてくれます。
乾燥させた茶葉ではなく、ウエットの状態で使用する場合は、茶殻から水分が出るため、水の量を減らして利用しましょう。
紅茶の茶殻の美味しい食べ方
紅茶はほんのり渋みがあり、自己主張が強いので、できれば「お菓子」などに利用すると簡単に美味しく利用できます。
【紅茶の簡単クッキー】
- ホットケーキミックスに紅茶の茶殻を混ぜ、さらに卵とバターを混ぜてクッキー生地を作ります。
- そのまま、お好きな形に焼いてできあがり。
ホットケーキミックスのクッキーも紅茶の茶殻を入れることで、簡単にいつもと違うクッキーに早変わり。
【紅茶のパウンドケーキ】
- ホットケーキミックスに卵、多めの牛乳、紅茶の茶殻を混ぜる。
- サラダ油を塗ったパウンドケーキ型に①を流し込み、180度のオーブンで30ほど焼いて完成。
竹串をさして生地がくっついて来なければ中まで火が通っている証拠。
もし、焼きが足りない時はさらに180度のオーブンで5分ずつ追加焼きをしていきましょう。
焦げそうになったら「アルミホイル」をかぶせれば大丈夫です。
パウンドケーキは冷めてもしっとりして美味しいので、週末のデザート作りのためにも、紅茶の茶殻は撮っておきましょう♪
食べる茶殻の適量
紅茶も緑茶も、1日大さじ半分~1杯もあれば、1日の必要量のカテキンをとることができます。
多くてもあまり問題はありませんが、茶葉にもまだカフェインなどが含まれていますので、お子様にあげる場合なども考えて、これくらいを適量目安にしてみましょう。