秋に美味しい柿は生より干して食べる昔ながらの知恵
医者が青くなる栄養満点の日本のフルーツ「柿」を食べよう!!
リンゴが赤くなると医者が青くなる。
トマトが赤くなると医者が青くなる。
そして、『柿が赤くなると医者が青くなる』という「3大医者が青くなる食材」の内の一つ、柿の季節が近づいて来ました。
柿は東アジアの固有種で、特に中国の長江流域に多く自生している落葉樹の実なのですが、日本に昔からある秋の果物で、1789年にヨーロッパへ、1870年に北アメリカへと渡ったさいも「KAKI」とそのままの名前で広まっていた、日本人にとってはとてもなじみのある果物です。
食物繊維はどの果物の中でもトップクラスで、そのまま「カリ」っと食べても美味しいし、熟したものを「ジュルリ」とスプーンですくって食べても美味しく、さらに、干した柿を冬まで保存し、ストーブで炙って食べたり……と、まさに栄養満点の最高のデザートです。
そんな柿ですが、中には渋柿と呼ばれる、タンニンが多くて食べられないほど渋いものもあるのですが、実はそれ、干すことによって「生よりも」ある効果を4倍に増やせる利点があるのです。
そのある効果とは……!?
柿に含まれる驚きの栄養素
「柿が赤くなると医者が青くなる」という言葉のとおり、柿には様々な栄養素が含まれています。
まず、ビタミンが豊富で、むくみ防止のカリウムも豊富。
夏の間にため込んでいた水分を上手く排出してくれます。
そして、コレステロール値を下げてくれる食物繊維が豊富なので、デトックスには最適。
また、甘い柿にも若干の渋みというものを感じるかと思いますが、その渋みの元が「タンニン」。
タンニンは紅茶にも含まれる茶色い成分なのですが、アンチエイジング効果はもちろん、血圧を下げる効果があり、高血圧や脳梗塞予防が期待できます。
ただし、タンニンは腸を引き締める成分があるため、便秘の人が飲むと余計に出辛くなってしまうことも……。
ですが、柿には食物繊維が豊富に入っているので、あまり心配せずに食べる事ができるでしょう。
そして、一番おすすめの栄養成分は「β-クリプトキサンチン」。
聞き慣れないこの栄養素、がん予防効果があると今注目の栄養素なのです。
柿は干して食べたい理由
※地方によっては干し柿とミカンをお供えするところも※
β-クリプトキサンチンはミカンにも多く含まれているのですが、柿もミカンに匹敵する含有量を持っています。
ですが、柿を干すことによって……なんと4倍もβ-クリプトキサンチンが増えるのです。
その量はミカンを抜いて、果物界1位の含有量になるのです。
さらにβカロチンの量も3倍になり、食物繊維も凝縮されることによって果物界随一となりますので、柿はぜひとも干して食べたいところ。
たった1日2個の干し柿で、必要量の1/2は取れることになるのです。
ですが、干し柿にすることによって、柿に含まれているビタミンCはほとんど消失してしまうため、夏が終わり日焼けなどでビタミンCを必要としている間は生の柿を。
冬に近づき、甘い物が少なくなり、木々に柿が少なくなってきた頃、保存食として加工された干し柿を食べるというのは、理に叶った食べ方で、昔の知恵が存分に生かされているのです。
自分で作ってみよう「干し柿」
通常は打っている干し柿を食べる事がほとんどだと思いますが、せっかくなので自分でも干し柿を作ってみましょう。
【簡単な干し柿の作り方】
- 甘くても渋くてもどちらでも大丈夫なので、柿を用意します。
- 天気予報を確認、1週間晴と予報されている日に作業しましょう。
- 柿のへたを取り、皮を剥いていきます。
- 熱湯に数秒浸けて表面を殺菌する、もしくは度数の高い焼酎で表面を殺菌します。
これをするとカビが生える危険性がぐっと減ります。 - ミカンやタマネギを入れるような、ネットに柿を一つ一つ入れて、風通しのよい「日の当たる場所」に干しましょう。
- 10日~2週間ほど干して乾燥したら完成。
途中で殺菌した手で表面を軽く持ち、もみもみと揉んであげるとより一層早く仕上がります。
自家製干し柿のポイント
- 干し柿は「カビ」との戦い。カビさえ生えなければ成功したも同然なので、乾燥した空気になる11月以降に作るとよいでしょう(10月だと、まだ湿度が高いので失敗する可能性が高い)
- 甘柿の場合、皮を剥いて5~10mm位にスライス、盆ざるに重ならないように並べて5~7日天日干しするだけも干し柿ができあがります(渋柿はこの方法で作ると美味しくありません!)
- ミカンやタマネギを入れるネットに入れると、紐でぶら下げるための枝も必要ないですし、虫除けにもなるのでおすすめです。
- 途中で雨が降ったり、湿度が上がってしまったりしたさいは、1日1回焼酎を吹きかけてカビ防止の除菌をするようにしましょう。
- 夜露の多い地域の方は、夜になったら室内に取り込み、扇風機を当てるなどして、極力水分に触れさせないようにしましょう。
少々手間はかかるものの、自分で作った干し柿は美味しくて安全ですので、カビだけには気をつけつつ、ぜひ作ってみましょう!!