みかんは筋から皮から捨てるところナシの最強フルーツだった
ミカンを丸ごと食べる昔ながらの知恵でビタミン元気!!
冬に美味しミカン。
こたつに入って皮を剥いて、白い筋を剥いた皮の中に捨てて……。
と、ちょっと待った!!
ミカンの筋はもちろん、ミカンの皮にも栄養あり。
丸ごと食べて冬の風邪を吹き飛ばす、ミカンの栄養について知ってみましょう!!
ミカンの筋に栄養がある!?
ミカンと言えばビタミンCが豊富な果物。
冬場は野菜の収穫がなく、ビタミンCが不足しがちだった昔の日本では、このミカンによってビタミンCを補給し、風邪やその他の病気から体を守っていました。
そんな冬の守り神、ミカンですが、皮と実の間には白いワタのような筋がたくさんあります。
この筋、なんとなく口触りも良くなく、苦手な人は全て綺麗に取ってしまう事もありますが、実は、この筋を取ってしまうと、ミカンのビタミンCはほとんど吸収することができなくなってしまうのです!!
ビタミンCの吸収にはビタミンPという成分が必要になるのですが、ミカンのビタミンPは8割以上この筋の部分に含まれていたのです。
つまりこの筋を取ってしまうと、ミカンの中に含まれていたビタミンCが吸収されずに無駄に……。
ビタミンPはポリフェノールの一種で、ビタミンCの吸収を助ける他にも、血管を強くしてくれる効果もあるため、美白を気にする女性には絶対筋事食べてもらいたところ。
因みに、ミカンにはコレステロールを下げるペクチンという栄養素が含まれているのですが、実よりも皮と筋の部分のほうが4倍もペクチンが多かったのです。
これではミカンの筋と皮を捨てるのが、大損になってしまいますよね。
ミカンの皮も漢方に
ミカンの筋が大切ということはわかった物の、やっぱりミカンの筋は苦手……という方もいるでしょう。
それに、ミカンの皮も栄養がある言われても、さすがにミカンの皮をむしゃむしゃと生で食べるのは少し抵抗があります。
そんな時はミカンの皮を乾燥させてしまいましょう!!
ミカンの皮を乾燥させた物は「陳皮」と言い、数多くの漢方薬に利用されています。
【陳皮の入った漢方薬】
- 抑肝散加陳皮半夏
- 茯苓飲等
【陳皮の効能】
陳皮に含まれているヘスペリジンは「血流アップ」「冷え症対策」としておすすめ。
また、アレルギー症状の緩和にも役立つとされています。
さらに、胃腸の調子を整えるとして、消化不良・吐き気・胃酸過多・下痢の漢方薬としても役立っています。
その他、咳・タンの抑制効果があるため、ミカンのビタミンCと合わせて風邪予防の最強ペアとなるでしょう。
【陳皮の作り方】
- ミカンの皮についている天然のワックスと共に、農薬をよく洗い流します。特にミカンのヘタの部分には汚れや農薬が溜まりやすいので、その部分は切り落とし、水に数時間浸しておくと楽にワックスが落ちるでしょう。
- 水から上げたミカンの皮をよく拭いて、ザルに重ならないように並べて、日の当たるベランダなどに置いて天日干しにします。寒いときは夜になったら家に入れ、約1週間ほど干していけば完成。
- 皮の大きさが当初(生の状態)の2~3割になったらしっかりと乾燥されている証拠。細かく刻むことによって使いやすく、より栄養も出やすくなります。できればミキサーなどで粉末状にすると、薬味として使用したり、お茶として使う事もできます。
- すぐに使う事がないようであれば、さらに(数ヶ月)天日干しすると日持ちがよくなります。
【陳皮で薫り高いお茶を飲もう】
急須に陳皮を小さじ1杯ほど入れたら、熱湯を300cc入れて、4~5分ほど蒸したら香りのよい陳皮茶が完成。
もし、甘さが足りないと感じたら黒糖を入れたり、ハチミツを入れてみると子どもでも喜んで飲んでもらえる、冬の美味しいお茶になります。
【陳皮を入浴剤にしよう】
食べるのとは少し異なりますが、ミカンの皮にはリモネンという成分が含まれており、リラックス効果と交感神経を活発化させるという、二つの対局した効果があります。
そのため、陳皮を入浴剤などにすると血流の流れがよくなり、ホルモンの分泌がよくなり、脂肪燃焼効果が期待できるのです。
陳皮の入浴剤の作り方は簡単。
乾いた陳皮を2センチ位にカットして、目の細かい洗濯ネットに入れて浴槽に浮かべるだけ。
この時使う陳皮は完全に乾いたものでなくても大丈夫なので、冬の寒い日などに、リラックスしたいときなどに、気楽に使える裏技です。
【陳皮のその他の利用法】
陳皮はお茶や入浴剤にスルだけではなく、味噌汁に入れたり、煮物に入れたりと色々なところで活躍できます。
蜂蜜と混ぜてパンにかけるとマーマレードのような風味を楽しむこともできますし、豚の角煮を作る時に入れると、八角のようなよい香りを付けることもできます。
実よりも大切な皮。
捨てることなく有効利用してください!!