中東から中国まで古来より仰がれるナツメの力
疲れたときの一粒。滋養強壮の最強食品ナツメのスーパー薬膳パワー
ナツメは最近になって日本で日常的に広まってきた食べ物ですが、「アラビアンナイト」などの中東の大昔の物語でもよく登場し、砂漠地帯に住む国の人にとっては生活に欠かせないスーパーフードです。
もちろん、中国でも約3000年前から栽培されており、現在でも日常的に食べられています。
このナツメ、漢方では「大棗(タイソウ)」と呼ばれており、「大棗を使わない漢方医はいない」と言われるほど、多くの漢方薬に含まれています。
日本ではナツメは栽培しにくく、生の状態では手に入りにくいのですが、乾燥したものであればスーパーやコストコやカルディーなどの輸入食料品店で手軽に買うことができます。
ナツメは漢方薬になっているということからわかるように、ものすごい栄養素を秘めています。
手軽にナツメが手に入るようになった現在、ナツメを上手に利用しない理由はありません!!
ナツメの栄養と効果
【ナツメの主な成分(100g中)】※乾燥ナツメのもの※
- 食物繊維:5g
- カリウム:810mg
- マグネシウム:39mg
- カルシウム:65mg
- 鉄:5mg
- ビタミンC:1mg
ナツメには鉄分が含まれており、血を補い脾臓や胃を丈夫にする働きがあると言われています。
中国では「1日3個のナツメで不老長寿」ということわざがあるほどです。
科学的にもナツメには筋肉を増強し、白血球の生成を促し、免疫力を高める一方、アレルギー反応を抑え、イライラや不眠を鎮めてくれる効果があると確認されています。
事実「甘麦大棗湯」というナツメが入った漢方は、赤ちゃんの夜泣きや、女性特有のイライラなどに有効として広く利用されています。
ナツメの上手な利用法
ナツメは日本ではほとんどがドライの状態でしか手に入らないため、食べると言っても「そのまま食べる」という方法しかないようなイメージがあります。
ですが、食べ合わせによっては、より効果が高まったり、逆に腹痛を起こしてしまったりすることがあります。
貧血や冷え予防に食べるならば、中国でも行われている食べ方通り、そのままの状態のものを1日3個ほど食べれば大丈夫なのですが、少しこだわった効果を期待するならば、このような食べ方がおすすめです。
【胃腸の風邪をひいてしまったときなど】
ナツメはかなりの栄養素が含まれている上に、乾燥しているにもかかわらずビタミンCもあります。
ですので、胃が弱い、夏バテなどで胃腸が弱くなってしまった、胃腸風邪で栄養は欲しいけど、食欲がないときなどは、ナツメを食事に持ってくるのが吉。
甘いナツメですが、刻んで瓶に詰め、冷蔵庫に入れておくことで、薬味代わりにいつでも使えるのが便利。
その甘さを利用して、美味しいスープにしてしまいましょう。
■ナツメの中華粥■
ナツメとお米、双方脾を補う効果があり、栄養もある上に、胃腸に優しい。
そんなナツメとお米でおかゆを作りましょう。
作り方は簡単。
鶏ガラスープで刻んだナツメとお米を炊き込み、おかゆにするだけ。
甘さが気になるかもしれませんが、鶏ガラスープが塩気を足してくれるため、ほどよい味になります。
胃腸の調子が整い、食欲が段々と出てきます。
【不眠の改善に+グレープフルーツ】
ナツメには血を補う成分があり、一方グレープフルーツには気を巡らす働きがあると言われています。
この二つを食べる事で、血行を促進し、体が温まり、健やかな眠りを誘います。
■ナツメとグレープフルーツのコンポート■
刻んだナツメを水で10分ほど煮込み、そこにさらに向いて刻んだグレープフルーツを加えます。
そこから10分ほど煮込めば、ナツメとグレープフルーツのコンポートのできあがり。
そのまま食べてもナツメの優しい甘さが体に染み渡りますし、甘さが足りない時は、ハチミツなどを加えても美味しくなります。
ポイントは、水は少なめで。
ナツメが水分を吸収してしまいますが、グレープフルーツからかなりたくさんの量の水分が出るので大丈夫です。
食べ合わせの悪い組み合わせも
滋養に豊み、胃腸にも優しいナツメですが、食べ合わせに注意した方が良いことも。
ナツメとネギや魚を一緒に食べることで、腹痛や腰痛(腹痛による腰痛)を起こすことがあると、言われています。
また、ナツメは栄養がある分等分も多い為、肥満や糖尿病、のぼせ体質の方は控えた方が良いとも言われているため、注意しましょう。
乾燥ナツメは、光沢があり、肉質が柔らかいものがおすすめなのですが、湿気を嫌い、虫も付きやすい食べ物のため、きっちりと密封し、暗所で保存するようにしましょう。