お肉だって立派な薬膳料理になるんです!!
元気を与えてくれるお肉で薬膳効果をもらっちゃおう
薬膳料理と聞くと、薬草や木の実を思い浮かべる方がほとんどかもしれませんが、お肉は五臓を補い、精をつけるエネルギー食材とされている、必要不可欠なものです。
もちろん、食べ過ぎてしまうと胃腸に負担をかけてしまうので、野菜よりもやや少なめくらいが理想とされていますが、薬膳の「似類補類(にるいほるい)」という言葉からわかるように、胃が悪いときには動物の胃を、肝臓の調子が悪いときはレバーを食べるなど、似たような臓器を食べる事で、同じ臓器の不調を補うという役目があります。
今回は、そんなお肉薬膳の中でもみんなが大好き「牛肉」に注目してみましょう!!
牛肉の主な栄養成分
- 脂質
- タンパク質
- 鉄
- ビタミンB2
- ビタミンB1
牛肉の効果
タンパク質はもちろん、意外にもミネラル成分が多いのが牛肉。
そのイメージ通り、体の機能を全面的に高め、体力を回復させてくれる効果があり、総じて抵抗力を上げてくれます。
もちろん、タンパク質により筋肉をつけてくれる効果もあるため、成長期の子ども・青年は無論のこと、筋肉の衰えを防ぐためにもタンパク質が必要になる高齢者にもおすすめの食材です。
また、牛肉は肉の中でも消化しやすい部類にあるため、胃の働きを高める効果もあり、消化吸収しやすい分、実は豚肉よりも鉄分を多く摂取することができます。
今では一般的ではありませんが、牛の痰結石は「牛黄(ゴオウ)」と呼ばれており、心臓病・脳卒中などによる意識障害の改善に用いられる漢方薬だったりします。
牛肉で体質も変わる!?
今でこそ日本は牛・豚・鳥と多くのお肉を食べるようになりましたが、一昔前のメインの肉類と言えば「お魚」でした。
また、主食は「お米」が基本ですが、日本の反対側、アルゼンチンでは主食がなんと「牛肉」と言われるほど、お肉をメインに食べています。
お肉は魚や穀物よりも吸収率が高く栄養もあるため、お肉を食べ続けてきた欧米人の腸は栄養を吸収する率を減らすように短くなっています。
そのため、遺伝的に足が長く、胴体が短くなっているのですが、穀物や魚をメインと食べる日本人を含むアジア人は、欧米人よりもより多くの栄養が摂れるよう、腸が長くなっています。
このように遺伝的にも肉食メインかどうかで変わってしまうものなのですが、日本人が欧米に行き「お肉を主食に生活したら……」どうなるでしょうか?
もちろん、太るケースが多々あるのですが、脂肪分に気をつけて、赤身をメインにお肉と野菜をしっかりと食べた場合、自分でもわかるほど体力が付き、元気になるそうです。
あの、日本が誇る最高齢のアルピニスト三浦雄一郎さんも、80を超えて元気なのは月1度食べる1.5㎏のステーキのお陰だと言っています。
良い牛肉の選び方と保存方法
赤身が鮮やかな赤色をしており、脂肪の色がクリーム色か白色のものを選びましょう。
古くなってくると、段々と色が淡く黒ずんできます。
また、保存する際は冷蔵庫で、冷凍する際は「冷凍焼け」に気をつけましょう。
牛肉おすすめの薬膳料理
【ヤマイモのとろとろスープ】
胃の調子を整えるヤマイモに牛肉を足すことによって、「胃腸に優しく元気を体に届ける」事が可能になります。
選ぶお肉は脂肪の少ない赤身肉であれば、なおGOOD。
■材料■
- ヤマイモ
- 中華スープの素
- 牛肉の赤身肉
■作り方■
牛の赤身肉を食べやすい大きさに切り、中華スープの素を入れたお湯で柔らかくなるまで煮込んでいきます。
そこに、擦ったヤマイモを加えて塩コショウでかるく味を調えたら完成。
風邪の時でも食べやすく、吐き気があるときなどはスープだけを飲んでも十分な栄養が摂れます。
【ネギの薬膳牛肉のスープ】
薬膳と書いていてもとても簡単な牛肉のスープ。
体を温めるネギと、栄養をくれる牛肉によって、体を温め体力を回復させてくれます。
■材料■
- 長ネギ
- 中華スープの素
- 牛肉
■レシピ■
中華スープの素をお水に溶かし入れ、ネギを刻んで入れます。
そこに、食べやすい大きさに切った牛肉を入れるのですが、煮ているときに、浮いた油は徹底的に取っていきましょう。
そうすることによって、綺麗な澄んだスープができ、雑味のない美味しいスープができあがります。
牛肉を食べるときはここに注意!
牛肉は豚や鶏に比べて生食のしやすいお肉ですが、食中毒や消化不良を考えると、薬膳として食べる時はできる限り火を通して食べるようにしましょう!!