お婆ちゃんはすごかった! 料理で得する昔の知識
古米を美味しく・サトイモを手軽に・レタスを新鮮に……昔の知恵はすごかった
何でもそろい、なんでも手早く調理できる今の時代と違い、お米が古くなっても最後まで使い、冷蔵庫のない台所でより美味しそうな見た目の葉野菜を提供する……。
昔の人は今よりも数段食べ物を大切に、そして数段知識を持って台所に立っていました。
その知識は現代でも十分通用でき、私たちの生活にゆとりと節約と、ちょっとした美味しさを届けてくれます。
そんな昔の料理の知恵をいくつかお届けします。
レタスを変色させないちょっとしたコツ
キャベツや白菜、ほうれん草などを切るときは包丁を使うと思いますが、レタスも同じように包丁……で切ってしまうのはNG!!
もしレタスを包丁出切ってしまうと、時間が経つにつれ切り口が段々赤くなってしまうのです。
そういえば、レストランのバイキングなんかで、赤くなってしまってちょっと美味しくなさそうになってしまったレタスサラダを見かけたことありませんか?
そう、それが包丁で切ってしまったレタスの結果なのです。
これは、包丁によって、レタスの細胞から「ポリフェノール」が出てしまったため。
ポリフェノール自身は無色でえすが、空気に触れることによって、ポリフェノールオキシダーゼという酸化酵素と反応してしまうからです。
もちろん、このポリフェノールは体に悪いものではありません。
レタスが傷ついてしまった部分を酸性にして、虫から身を守るための仕組みですので、見た目が悪くなるだけなのですが、せっかくなので、「見た目も美味しく」食べたいところ。
ですので、レタスを切るときは「手でちぎる」!!
ちょっと乱暴に思えるかもしれませんが、切ってしまうと細胞が包丁で切られてしまいますが、ちぎる分には、細胞が破壊されずに、細胞同士が引き離されるだけになるので、ポリフェノールがにじみ出てこないのです。
また、手でちぎることによって、表面がツルツルしているレタスにもドレッシングがなじみやすく、より美味しいサラダになります。
古米も安いお米も、昔の知恵なら驚くほど美味しいお米に早変わり!!
古米や安い複数原米などは甘みが少なく、どこかパサパサしており美味しくないものですよね。
これは、ご飯を噛んでいると甘く感じさせてくれる、デンプンを糖に変える「アミラーゼ」という物質が、古いお米や安いお米には不足しているから。
ならば、足りないアミラーゼを足せば、古米でも安いお米でも美味しく食べられるはず!
昔は、お米が古くなったからと言って捨てるような勿体のないまねはできませんでした。
なので、アミラーゼを「ハチミツ」から借りて補ったのです。
やり方は簡単。
少量のハチミツ(ご飯2合に対して、ハチミツは小さじ1杯)を加えて、お水を入れて30分ほど浸水させてから炊くだけ。
ご飯の甘さが蘇るのはもちろん、糖分には水分を保つ性質があるため、乾燥して古くなったお米でも、水分を含んでふっくらと炊きあがるのです。
さらに、食感を良くするために、粘りのあるもち米を1割ほど足して炊くというのもあり。
もち米には粘り気を出す「アミロペクチン」というデンプン質100%でできているのですが、普通のお米は粘りけを抑えるアミロースというデンプン質が20%、アミロペクチンが80%という割合でできています。
そこで、古くなってアミロペクチンが少なくなってしまったお米に、餅米のアミロペクチンを」加えることによって、もっちりとした粘り気も楽しめる、美味しいお米に早変わりさせることができるのです。
ちょっと待って! サトイモは剥いちゃダメ!?
「芋の子を洗う」という言葉があるのですが、芋の中でもサトイモは特に包丁を使わず、洗って皮を剥くものです。
サトイモには独特のヌメリがあり、それがしっとりとした食感を生んでいます。
もちろんこのヌメリはガラクタン・マンナンなどといった体に良い成分でできているのですが、このヌメリを逃さないため、洗って皮を剥くのが基本になっているのです。
洗うといっても、ただ水で流すだけでは皮は剥けません。
サトイモは皮が二重になっているので、タワシやアルミ箔を丸めたもので擦って洗うことによって、外側の固い皮だけを落とすことができ、そのまま調理するともっちりと美味しい煮物ができるのです。
昔は大量のサトイモを水を張った桶に入れ、棒でかき回して、サトイモ同士をぶつけて皮を剥いていました。
また、どうしてもしっかりと皮を剥きたい場合は、洗ったサトイモを一度しっかりと乾かしてから、包丁などで薄く剥くようにしましょう。
乾かすことによって、手が痒くなることもなく、薄く皮が剥けるため、皮付近のヌメリ気が残り、しっとりと美味しいサトイモ料理ができるのです。