トウガラシは体を温めるだけじゃない!? 冬に最強の漢方食材
トウガラシは体を温めたりダイエットに良いだけじゃなかった!?
トウガラシは昔、「唐」つまり、中国から日本に渡ってきた漢方薬と言われています。
※トウガラシの「唐」は確かに中国を指していますが、当時の日本の「唐」とは漠然と外国を示す言葉でもあり、トウガラシ自体は南米原産であることから、中国から伝わってきたものではない可能性もあるとして、諸説あります。※
中国では、昔から湿気の多い地域に住む人達が、トウガラシを常食することによって体に溜まった水分(湿気)を追い出していたのです。
漢方薬としては、体内の悪い気を取り除くものとして役立ち、発汗やそれにともなう多彩な効能を役立てていました。
そんなトウガラシは日本では、「冬の食べ物」「体を温める食べ物」「ダイエット食品」という感覚が強いのですが、トウガラシの薬膳効果は本当にいろいろあったのです。
トウガラシの栄養とその効果
【トウガラシに含まれる主な栄養素】
- カリウム
- マグネシウム
- カルシウム
- 亜鉛
- ビタミンB2
- ビタミンB1
辛いだけというイメージがあったトウガラシに、意外にもたくさんの栄養素が含まれていることを知って驚く人も少なくありません。
因みに「辛み」の成分は「カプサイシン」と呼ばれる成分が生み出しており、これだけを取りだして、催涙スプレーの原料を作ったりもしています。
【トウガラシに期待できる効果】
トウガラシには、発汗作用の他にも多種多様な効果があると言われています。
- 食欲増進
- 消化不良の改善
- 高血糖・肥満予防
- 心臓の働きを高める
- 免疫力向上
- 滋養強壮
実は、ダイエット効果があると言われていますが、それは発汗作用によって、脂肪が燃焼しやすい……気がしているだけではないかという説が出ています。
国立健康・栄養研究所での研究によると、「脂肪を燃焼させる」「代謝を高める」といった話が俗にあるが、ヒトにおける信頼のある研究データがなく、信憑性はまだないと言われています。
なので、ダイエットや脂肪燃焼といったとらえ方ではなく、「肥満予防」程度に止めて考えておくとよいかもしれません。
ただ、ダイエット効果はなくとも、体を温めたり、発汗作用があったりと色々期待のできる食材なので、ぜひ普段の食生活に取り入れたいものですね。
トウガラシの選び方と保存方法
トウガラシを選ぶときは、例え乾燥品であっても、色が鮮やかで表面にハリとツヤのあるものを選ぶようにしましょう。
シワがあり、しなびて見える物は乾燥したトウガラシであっても味も風味も落ちてしまっているので、NGです。
また、トウガラシは生の場合は、野菜用のポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。
乾燥したものならば、風通しの良い冷暗所で長期保存が可能です。
因みに生であっても冷凍すれば長期保存が可能、1年ほど保存が可能となりますが、時間が経てば立つほど風味が落ちていってしまうので、できれば早い内に食べるようにしましょう。
トウガラシのおすすめの食べ合わせ
ピリ辛トマトの卵炒め
食欲がないときはトウガラシとトマトで胃腸の動きを良くしてあげましょう。
■材料■
- トマト1個
- 卵1個
- トウガラシ半~1個
- ごま油少々
- 中華スープの素
■作り方■
トマトを乱切りに。
熱したごま油の中に刻んだトウガラシを入れて、香りを出したら、トマトを入れて、軽く炒めます。
その後、溶き卵を入れて、卵が固まりかけたら中華スープの素を入れて味付けして完成。
トマトは生で食べると体を冷やす作用があるのですが、体を温める作用のあるトウガラシと炒めて食べると、胃腸の働きを良くしてくれ、さらに卵でマイルドにすることによって、食欲増進に。
栄養もあるので、病み上がりでまだ少し食欲が出ないな……というときにおすすめです。
ピリ辛麻婆豆腐
中華の豆腐料理と言えば麻婆豆腐。そこにトウガラシを入れることで肥満予防効果倍増!
■材料■
- 豆腐
- 麻婆豆腐の素
- トウガラシ
■作り方■
麻婆豆腐の素のレシピに沿って、フライパンに麻婆豆腐の素と豆腐を入れて煮込みます。
その時に、刻んだトウガラシを+αするだけでOK。
麻婆豆腐は一から作ると大変。
それなら、主となる材料である豆腐と、トウガラシだけでも生ものを使えば十分。
低カロリーな豆腐はトマトと同じく体を冷やす作用がありますが、トウガラシの体を温める作用でそれを打ち消し、とってもヘルシーな料理になります。
トウガラシの食べ過ぎにはご注意を
トウガラシは効果のある食べ物ではありますが、その分刺激もとても強い食べ物。
高血圧やのぼせの症状がある場合。
また、前立腺肥大症・膀胱炎・痔・便秘がちな方や、妊婦さんは避けた方が無難でしょう。
もちろん、食欲増進とはいえ、食べ過ぎると胃腸に負担がかかりますので、美味しいな……と思う量をほどほどに食べるようにしましょう。