春の顔「セリ」で体の熱を下げる!?
古来より風邪の熱を取ると重宝されてきた薬草「セリ」
春になると店頭に並ぶ「セリ」は、春を告げるさわやかな青菜。
お正月に食べる七草にも「セリ、ナズナ……」と真っ先に出てくることから、日本人にもなじみ深く、平安時代には宮中行事にも使われてきたほど。
また、山や森に入ればそこかしこに生えていそうなセリですが、古来より「身体の熱を取る」薬草として、とても重宝されてきました。
そんなセリのおすすめ活用法をお伝えします。
セリの主な成分と効果
【セリの主な栄養】
- カリウム
- カルシウム
- 鉄
- βカロチン
【セリに期待できる効果】
セリには各種ビタミンや鉄、カルシウムなどが豊富で、血液を正常(健康な)状態に保ってくれる効果があります。
また、貧血や高血圧を予防したり、肩コリや首コリの緩和も期待できるのです。
それもこれも、セリ独特の苦みや香りの成分には、実はストレスを緩和させる作用があるから!
また、セリには優れた水分代謝の働きがあるため、大昔からインフルエンザや風邪の時に体の熱をとる薬草として利用されてきました。
ときおり、中国や日本の昔話でおかゆに「セリ」が入っている描写があるものが出てくるかと思いますが、それにはこういった理由があったのです。
因みに……。
このセリ、北半球のほとんどとオーストラリア大陸にも分布している植物なのですが、西洋では食べる習慣がないのです!!
ですので、東洋では2000年前から食べられているセリですが、西洋では魔女の薬草としての利用すら記録がないそうです。
セリの選び方と保存方法
セリの旬は1月~4月。
葉が鮮やかな緑色なものほど鮮度がよい証拠。
茎が太い方が良さそうに思われてしまいますが、茎が太くなってしまうと繊維が固くなってしまうので、セリに関しては茎が細くて香りが強いものを選ぶようにしましょう。
セリの保存方法ですが、根元を水で湿らせて、キッチンペーパーで包んだ後にサランラップで巻いて、輪ゴムなどで止めてしまいましょう。
立てた状態で野菜室に入れれば保ちますが、セリは乾燥に弱く、比較的足も早い青物ですので、特に香りが薄くなる前に、早めに食べるようにしましょう。
セリと+αでおすすめの食材
【+「ホタテ」で倦怠感の解消に】
セリの香りは付かれた気分を和らげてくれるものなのですが、ホタテ貝には亜鉛がたくさん含まれており、ストレスを感じると失われてしまう亜鉛を補充する役目を果たしてくれます。
ですので、ホタテ+セリは、だる~くなってしまった時にうってつけの料理。
おすすめの食べ方は、ホタテスープにセリを刻んで入れるだけ!!
セリもホタテも、味はありつつも邪魔をしない食材なので、中華風・洋風・味噌汁なんかにしても良く合うので、その日の気分でスープの味を決めてもよいでしょう。
【+「カツオ節」で貧血予防に】
セリには鉄分が多く含まれており、女性の貧血予防にはうってつけなのですが、そこに、同じく鉄分の多いと言われているカツオ節を足すことで、さらに貧血予防によい一品ができます。
おすすめの食べ方は、とても簡単。
セリのおひたしを作って、カツオ節をかけるだけ!!
小皿料理としてすぐに作れますし、お酒のおつまみにも最高です。
セリにもある注意点!!
セリは大昔から日本人、アジア人によく食べられている食材なので心配なことなどなさそうですが、実は、セリに似た「ドクゼリ」というものがあるのです。
セリは「セリ(競り)」という言葉通り、まるで競い合うように群生していることから名付けられた名前ですが、日本のあちらこちらに自然と自生しているものもたくさんあります。
スーパーで売られている物は、一昔前までは自生品でしたが、今では養液栽培がほとんど。
そのため、ドクゼリと間違えて食べる心配はありませんが、野草を採取する場合ドクゼリを間違えて食べてしまう可能性があります。
ドクゼリは、セリ特有の香りがないので見分けが付きやすいのですが、葉っぱだけ見ると見分けがほとんど付きません。
皮膚からも吸収され安い毒を持ち、食べると痙攣や呼吸困難、嘔吐や下痢といった症状が出る上に、5g以上食べてしまうと死に至る場合もあるので、注意してください。
写真はドクゼリです。
そして、もう一つ、小さな注意点があるのですが、それはアク抜き。
セリはアクが強い食材として知られていますが、市販されている養液栽培のものはそこまでアクは強くありません。
ですので、野草を摘んできた場合では無い限り、さっと湯通しするだけにとどめ、セリに豊富に含まれるビタミンやカルシウムなどを無駄に流出させないようにしましょう。