おめで「たい」だけじゃない! 鯛の栄養は漢方に匹敵する?
鯛に含まれる栄養は利用次第で薬膳料理にできる
鯛といえば、日本人の感覚において「魚の王さま」というイメージがありますよね。
大きいものでは、60センチを超え(この大きさだと重さは4キロを超えます!)、釣り人にとっても目標とする魚の一種です。
また、日本では「お食い初め」などを含む冠婚葬祭時のおめでたい場での食べ物として、鯛料理がよく振る舞われます。
七福神の中の一人、恵比寿様が持っているのも、釣られた鯛であることから、日本人にとって大切な高級魚であることがわかりますね。
そんな日本文化と深く根付いた鯛ですが、高級魚なだけあり、その栄養は折り紙つき。
昔から鯛を食べると病気が治るといわれていた程のその栄養価。
消化も良く、滋味に優れたその白身にはどのようなパワーが秘められているのでしょうか!?
鯛の主な栄養素と効果
【鯛に含まれる主な成分】
- タンパク質
- ナイアシン
- ビタミンB6
- ビタミンB12
【鯛に期待できる効能】
鯛は白身魚ならではのタンパク質が多く、栄養価が高い割にとても消化の良い肉質をしており、そのため、お食い初めやお七夜といった、赤ん坊のお祝いにもよく用いられてきました。
もちろん、生まれたばかりの赤ん坊は鯛を食べることはできませんが、出産で体力を失った母親にとって大切な栄養を届けてくれる魚。
また、栄養価が高いので母乳の出を良くする働きもあるため、平安時代からこういった行事に用いられてきたのでしょう。
他にも滋養強壮に優れ、成長や発育を促し、アンチエイジング効果もあるといわれております。
何より、鯛の消化の良さは折り紙付き。
ですので、病後や産後、高齢者に適した食材といわれているのです。
因みに、アミノ酸の一種のタウリンも豊富に含まれており、肝機能の回復を促し、疲労回復や眼精疲労の回復などにも役立ちます。
鯛の旬と保存方法
鯛の旬は冬~春。
鯛のメッカである千葉県などではこの時期、鯛を求めて漁船が多く出航します。
良い鯛の選びかたは、目が澄んでいて、鯛特有の赤い色が鮮やかな物を選びましょう。
もし、切り身になっていたとしても、同じく血合いの赤が鮮やかで、白身が透き通っているものを選ぶと良いでしょう。
鯛を保存する場合は基本的に冷蔵庫に入れて、賞味期限内に食べるのが鉄則。
もし、余ってしまった鯛の切り身などがある場合は、酒を振って、昆布で挟む「昆布締め」にしてしまえば、多少長持ちします。
ですが、あの徳川家康は「鯛の天ぷらにあたって死んだ」ともいわれています。
※諸説あり※
ですので、基本は生ものであることを念頭に、なるべく早く食べるようにしましょう。
鯛にオススメ+食材
【+「柑橘&ワカメ」で産後の回復力向上に】
産後に良いとされている鯛に、食の進む柑橘類と、ワカメを合わせることで、産後の体力回復や母乳の出を促進する効果が上がります。
「鯛と柑橘類!?」と思われるかもしれませんが、柑橘類と言ってもなにもミカンやオレンジを使わなくても大丈夫。
そう、柚子やかぼすといった香りの良い柑橘類を使う事で、十分食べやすくなります。
今話題の「じゃばら」を使っても、香りが強く酸味もあり、花粉症対策にもなってよいかもしれません。
料理法としては、鯛とワカメを一緒に蒸して、柚子、もしくはかぼすをかけて、ポン酢で食べるというのが一番簡単で、食べやすいでしょう。
【+「ムール貝」で滋養強壮に】
鯛と同じくらい滋味に富んだムール貝は、一緒に食べることで相乗効果が期待でき、より滋養強壮に優れた薬膳料理となります。
代表的なのは鯛とムール貝を使ったアクアパッツァですが、日本人にはあまり馴染みがなく、手間もかかります。
もちろん、鯛の切り身と冷凍のムール貝を使えばとても簡単なのですが、もっと楽にするには「鯛飯」にするのがベスト。
お米を研いだら、その中に鯛の切り身とムール貝、そして昆布と少量の醤油とお酒を入れれば、ボタンを押すだけで簡単に変わり鯛飯の完成。
そのまま食べても十分美味しい、炊き込みご飯になります。
鯛の注意ポイント
鯛は白身魚で、サバやブリよりかはアニサキスなどの心配はありませんが、妊娠中や出産後、高齢者などの体力が落ちている方は万が一を避けるために、鯛は火を通してから食べるようにしましょう。
そして、鯛を食べるに当たって一番の注意ポイントは「骨」。
鯛は骨が丈夫で、捌くのが大変なほど。
そんな鯛の骨が喉に刺さると……ちょっとやそっとでは抜けず、病院で抜くはめになってしまうのです!!
ですので、鯛を食べるときは骨に注意して、高齢者などの喉の力が弱くなってしまった人に食べさせる場合は、よく潰すなどして骨が残らないようにしてあげましょう。