サンザシでできる美味しい体質改善
昔懐かしい「サンザシ」は薬効高いスーパーフードだった
昭和生まれ世代の人は「サンザシ」といえば、四角くて細長い、一件ビーフジャーキーのようなドライフルーツのような物をイメージするかもしれません。
甘酸っぱい、まるでアセロラのような味わいのあるサンザシは、少量の砂糖を加え練り上げた「フルーツスティック」タイプのお茶菓子として、昭和世代の子どもたちの口を楽しませてきました。
ですが、サンザシは古くから伝わる漢方薬、ハーブとして私たちの体を癒やしてきたのです。
そんなサンザシを見直してみましょう。
サンザシの栄養と効果
【サンザシの主な栄養素】
- カリウム
- ビタミンC
- カルシウム
- ナトリウム
- マグネシウム
【サンザシに期待できる効果】
サンザシは小型のアセロラのような、姫リンゴに似たような形の赤い実で、ヨーロッパやアメリカでは、昔から強心作用や血液循環促進作用のあるハーブとして用いられており、「サンザシ酒」としても使われてきました。
また、消化を促す作用があるため、お肉を主に食べるこうしたヨーロッパやアメリカ諸国では、料理の添え物やソースなどの材料としても利用されていました。
一方漢方として中国や日本では、消化不良の改善、血行不良改善、生理不順や脱腸の歳に処方されてきた「生薬」としての役目が多かったようです。
現在でもダイエット効果や血圧やコレステロール値を下げる効果を期待されたり、ガン予防にも良いという発表もされているそうです。
因みに、サンザシは生薬名も「山査子(サンザシ)」で、加味平胃散(かみへいいさん)や啓脾湯(けいひとう)などといった漢方薬に混ぜられています。
アジア圏のサンザシに対して、ヨーロッパのものは「セイヨウサンザシ」と呼ばれており、主に心臓病向けのハーブとして使われているという違いにも注目です。
サンザシの旬と保存方法
サンザシの旬は……と言いたいところなのですが、基本的に日本ではサンザシは乾燥したもの、ドライフルーツとして手に入れることがほとんど。
冒頭で紹介した、果肉を潰して砂糖や寒天などと混ぜ棒状にしたフルーツスティック状の物が日本ではメジャーですが、中国では「山査子餅(シャンジャーズビン)」と呼ばれる、フルーツスティックを円形状にした物を、料理などに使う事が多いようです。
中国ではともかくサンザシのお菓子が多く、サンザシの羊羹や、竹串を刺してアメをかけたビンタンフールと呼ばれるリンゴアメならぬ、サンザシアメが露天などでよく売られているそうです。
もしサンザシを生で手に入れることができたらラッキー。
その時は、へたと種を取って「サンザシジャム」にして、長期保存可能な状態にして、水割りなどにして飲んでみましょう。
ですが、ドライフルーツで手に入れた場合は、高温多湿を避けて、常温で保存するようにしましょう。
もちろん、開封後は乾燥しているとはいえ、冷蔵庫で保存するとよいでしょう。
サンザシにおすすめ+食材
【+「陳皮」で消化力増強】
陳皮といえば最もメジャーとも言える漢方の「ミカンの皮の乾燥物」ですが、その陳皮とサンザシの組み合わせは、胃の働きを活発化させる陳皮と消化をよくするサンザシによって、最強の消化不良改善レシピになるのです。
食べ方としては簡単。
サンザシの乾燥粉末。もしくはフルーツスティックと陳皮をマグカップに入れて、熱湯を注いでよく溶かして飲めばいいだけ。
胃が弱く胃もたれしやすい方の朝の一杯に最適です。
もし飲みにくい場合は黒糖や氷砂糖を入れたり、冷やしたりすると、とても飲みやすくなります。
【+「緑豆もやし」で血栓予防に】
※パクチーやフォーを入れてベトナム風にするのもあり※
サンザシは血行促進する作用があると言われています。
そんなサンザシに、熱をとる緑豆もやしを組み合わせる事で、体に溜まった熱をとり、ドロドロになった血液をサラサラにしてくれるというわけなのです。
甘酸っぱいサンザシと緑豆もやしの組み合わせは、料理としてなかなか難しいのですが、中国ではサンザシはあの甘酸っぱさを利用して、酢豚の調味料として使う事が多々あります。
その要領で、ドライサンザシを使って料理として使ってみましょう。
一番簡単なのがスープ。
中華スープの素を入れたお鍋に緑豆もやしとドライサンザシを入れ、数分煮込むだけ。
味付けが足りない時は塩コショウで味を整えても良いのですが、せっかくなので血液ドロドロ改善を兼ねて、素材の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
サンザシの注意ポイント
サンザシはビタミンやカリウムもあって、女性にもおすすめの食材なのですが、じつは子宮の収縮作用があるため、妊娠中は食べない方がよいと言われています。
また、セイヨウサンザシの場合強心作用がありますが、大量に長期的に食べるわけではない場合は安心です。
ですが、まれに「胃のむかつき」「頭痛」「めまい」などが起こることがありますので、こうした症状が現れた場合は、速やかに食べるのを中止するようにしましょう。