梅・梅・梅! 梅で過ごす「健胃」「疲れ知らず」の夏の知恵
梅雨前の青梅はぜひ購入しておきたい理由がある! 梅でできる1年の健康
関東地方では梅雨の少し前辺りから「青梅」が売られるようになりますね。
もちろん済んでいる場所や、その年の天候によって左右される物ですが、この「青梅」が売られているのを見ると、多くの人は「夏が来た!!」と思うのではないでしょうか?
この青梅、確かに夏の訪れを告げてくれるスーパーのフードではありますが、同時に、夏の疲れや一年間の胃の健康を助けてくれるスーパーフードでもあるのです。
なぜ昔の人は青梅を加工して、梅干しや、その他の梅の食べ物・飲み物を作ったのか……。
この記事を読むと目から鱗が落ちること間違いなし!!
梅で作れる健康料理もご紹介します。
梅に秘められた驚きの力
『梅=酸っぱい』というイメージがあるかもしれませんが、この酸っぱい味の元となっているのが、「クエン酸」と「リンゴ酸」。
他にも各種酸味の元となる成分があるのですが、特にクエン酸には疲労によって溜まる乳酸菌を分解する力に優れていて、筋肉疲労はもちろん、老廃物の除去パワーによってアンチエイジング機能も期待できるのです。
動脈硬化予防などの成人病予防にも優れていて、さらに嬉しいことに「胃腸機能の回復」にも優れているのです。
昔から風邪を引いたり、お腹を壊したときには「梅干し入りのおかゆ」を食べて来た日本人ですが、それにはこういった理由があったのですね。
さらに梅は、梅に含まれている各種酸のお陰で強い殺菌作用もあり、梅雨~夏にかけての「カビ」「食中毒」「腐敗」予防にとても役立つのです。
食べ物が腐りやすい時期に、こうした予防に役立つ植物が実るようにできているとは、地球の不思議ですね。
塩分が気になる人は梅干し以外の食べ方も
梅の食べ物と言えば「梅干し」となるのが大抵の日本人ですが、梅には梅干し以外の食べ方もたくさんあります。
梅には肝機能向上に役立「ビルビリン酸」も含まれているため、疲れが溜まっているときや、二日酔いなどで肝臓が疲れている人にも効果的なのが梅なのです。
そんな梅を毎日梅干しとして食べては確かに塩分が過多になってしまいそうですが、梅肉エキスなどとして梅を摂取することができれば塩分は「ゼロ」。
さらに、梅肉は青梅をすり下ろして煮詰めたものなので、熱が加わることにより「ムメフラールン」という成分ができるため、血液サラサラ効果ももれなくついてくるのです!
では、そんな美味しくて体に優しい梅の、オススメの食べ方をご紹介します。
梅の健康的な食べ方と効果
【梅醤葛湯】
胃腸が弱っている時や、下痢の時などには「梅醤葛湯」がオススメ。
梅の整腸作用に、葛の整腸作用も加わり、効果バツグンです。
■材料■
- 梅干し
- 醤油
- くず粉
- 水
■作り方■
①鍋に梅干しを入れ、種を取り除いた上で良く潰す。
②①にごく少量の醤油を入れ、混ぜ、そこにくず粉、そして水を入れて火にかける。
③透明感が出たらできあがり。熱いうちに飲みましょう。
体を温め、塩分と水分を補給でき、梅と葛で整腸するという一石三鳥の昔の知恵です。
【梅肉葛湯】
梅醤葛湯では塩分が気になる……という方向けの梅の葛湯。
下痢の時はもちろん、風邪の時でも体を温めて、水分やクエン酸を補給できるのでオススメです。
こちらなら塩分はありませんので、子どもでも高齢者でも飲むことができるでしょう。
■材料■
- 梅肉エキス
- ハチミツ
- くず粉
- 水
■作り方■
①小鍋に梅肉エキスとハチミツを入れてよく混ぜる。
②①に水とくず粉を少しずつ混ぜて入れ、かき混ぜる。
③鍋を弱火にかけ透明感が出るまで火を通して完成。熱いうちに飲みましょう。
梅肉エキスは市販の物を利用すると便利ですが、中には塩分が入ってしまっているものもありますので、注意しましょう。
基本中の基本「梅ジュース」と「梅漬け」の作り方
梅肉エキスや梅干しを利用したレシピは簡単で、作りやすいのですが、せっかくですので、梅の時期は青梅を買って「梅ジュース」と「梅漬け」を仕込んでみましょう。
【梅ジュース】
青梅にある強い解毒作用を利用でき、夏の食欲不振や夏ばてを防いでくれる梅ジュースは夏に最高の飲み物。
■材料■
- 青梅……1キロ
- ハチミツ……2キロ
■作り方■
①青梅を洗い、へたを取ってよく拭いておく。
②青梅の中央、種に当たるまで一本切り込みを入れる。
③熱湯消毒して水気を切った密閉容器に青梅を入れ、上からハチミツをかけて、1ヶ月ほど2~3日に1回かき回しつつ、ジュースが出るまで待ちます。
④梅ジュースが出たら、それを水や炭酸で割って飲みましょう。
一夏分は持ちますが、青梅の核には青酸を生成する毒が含まれているので、あまり飲み過ぎないようにしましょう。
【梅干し】
■材料■
- 青梅……1キロ
- 塩……100g
- 赤じそ……1キロ
■作り方■
①青梅を洗い、へたを取ってよく拭いておく。
②ジップロック等に梅を入れて、一緒に塩を入れて、容器の中に入れます。
③上から1~2キロの重りを乗せて、「冷蔵庫」に入れましょう。
④2~3日に一回ひっくり返していると、1~2ヶ月で梅酢が上がってくるので、少量を捨て、その分だけ赤じそを入れて、色が染まったら完成。
塩分10%と減塩ですが、「ジップロックに入れる」「冷蔵庫に入れる」という現代の力を借りると、カビの心配も少なく作れます。
梅酢の上がりは遅く、1年程度しか持たないかもしれませんが、塩分が気になる方でも比較的安心して食べられる美味しい「カリカリ梅」が作れます。