夏だからこそ気をつけたい浮腫みに先人の知恵が効く
塩分・水分の撮り過ぎのムクミは自然の知恵ですっきりしよう
汗をかく夏は浮腫まないと思われがちですが、水分を多く摂取したり、塩分の強いものがおいしくなったりとで、冬よりも実は浮腫んでしまうのです。
塩分をとると浮腫む理由は、野菜に塩を振ったりすると大量の水が出ることからもわかるかもしれませんが、体内の塩分濃度が高くなってくると、細胞や血管から「塩もみの要領」で水分がしみだしてきます。
ですが、人間の体は皮膚で覆われているので、汗や涙といった器官を通さず皮膚の外に水分がしみだすことはないので、筋肉などの隙間に水分が溜まり、体がむくんでいってしまうのです。
またむくみの別の原因として、汗をかいて水を飲んだとしても、クーラーのある部屋で涼んでいたり、梅雨空の少し肌寒い日などは飲んだ水が体の外に出て行かなくて、どんどん浮腫んでいってしまいます。
特に梅雨時期は身体も「湿気を帯びる」と言われていますので、夏場は本当に身体が浮腫みやすいのです。
もちろん、腎臓などに疾患を抱えていると身体の水分調整ができず浮腫むことがありますが、そうした病気が原因での浮腫みは病院へ行きましょう。
昔の知恵での浮腫み対策は、塩分の取り過ぎ、水分の取り過ぎなどの生活習慣・環境からのものに対しとても効力を発揮するので、ぜひ試してみましょう。
明治時代からの夏の浮腫みのお薬「スイカ糖」
スイカが日本に根付いたのは実は歴史が浅く「明治時代」の事。
スイカは夏の食べ物として最高ランクの浮腫み対策果物。
明治の人たちも、夏の浮腫み解消食材としてスイカを愛用してきました。
スイカにはカリウムが豊富に含まれており、余分な水分と一緒に余分な塩分を体外に排出してくれる働きがあります。
また、血行を促進するシトルリンも含まれているため、尿の排出を促してくれるという優れもの。
難点は「夏にしか食べられない果物」という部分でしたが、先人たちは偉大です。
冬でもスイカの力を使えるよう、1年間の保存が利く「スイカ糖」を編み出しました。
【スイカ糖の作り方】
- スイカ(大玉1つ)の中身を繰り出し、しっかり絞ってスイカ汁を鍋に入れます。
- ①のスイカ汁を弱火で焦がさないように煮詰めていきます。
- 水あめ状になったら、熱湯消毒をした密閉容器に入れたらスイカ糖の完成。
飲むときは、大さじ1杯のスイカ糖をお湯に溶かして飲むだけ。
1日3杯くらいが丁度よいでしょう。
このスイカ糖、冷蔵庫に入れておけば1年間は保存が利くので、夏だけではなく、冬場飲み過ぎてむくんだときなどにも重宝します。
夏の飲み物「麦茶」はそれだけで浮腫みの特効薬に!?
浮腫みの原因は塩分によるものもありますが、もう一つ、血行不良によっても引き起こされることがあります。
血行が良ければ、体の老廃物は血液にのって腎臓や肝臓へ運ばれて分解され、そして尿として排出されていくのですが、血行が悪いといつまでも老廃物は「そこ」に居続け、浮腫みの原因となるのです。
女性の方が筋力・筋肉が少なく脚が浮腫みやすいのは、男性に比べて筋肉量が少ないため、血液を押し上げるポンプの力が弱く、それゆえに血行が悪い……というところからきているのですね。
そんな血行を促進して、浮腫みを解消してくれる飲み物が「麦茶」。
夏になるとほぼ必ず飲むであろう麦茶が浮腫み解消の役に立つとは意外かもしれませんが、麦茶のあの甘く香ばしい香りの元「アルキルビラジン」には血液をサラサラにしてくれる効果があります。
また、麦茶アルキルビラジンの血液サラサラ効果は、他の成分に比べ長持ちするので、麦茶と同じ量の水を飲んだ時よりも全身の血行が良くなります。
タンニンやカフェインも含まれていない身体に優しいお茶なので、浮腫みがちな妊婦さんにも安心なのがいいですね。
生薬の世界では強力な利尿剤!?「トウモロコシのヒゲ茶」
トウモロコシのひげは普段、むしって捨ててしまう部分ですよね。
ですがこのトウモロコシのヒゲ。
生薬としては「南蛮毛」と呼ばれており、カリウムを豊富に含む強力な利尿剤として重宝されています。
その効果は江戸時代からむくみに悩まされてきた妊婦たちに使われてきた……と言われるほど、歴史ある物。
欧米でも、昔から「コーンシルク」という名前で呼ばれており、当時は「魔女」と呼ばれていた薬の知識が豊富な人たちに利尿剤として使われてきました。
そんなトウモロコシのヒゲ茶の作り方はこちら。
【トウモロコシのヒゲ茶の作り方】
- トウモロコシのひげ150gを取り、2日ほど陰干しにします。
- ①の陰干ししたトウモロコシのひげを600mlの水で煎じていきます。
- ②の水が半分になったら完成。
1回100mlを1日3回程飲むことをお勧めします。
ほのかに甘く、すっきりしているので子供でも飲みやすい味です。