夏のシミ・くすみに天然の化粧水の知恵
秋になると一気に出てくる夏のシミにはずっと使える天然のケア用品を
夏はどうしても日差しの関係で肌にダメージが蓄積されていき、涼しくなってきたころに、一気にシミやくすみとなって肌表面に現れてきてしまいます。
そうしたことを防ぐためにも日焼け止めを日常的に使用し、外に出るときは日傘などで紫外線をブロックしていく必要があるのですが、日焼け止めが肌に合わない人もいますし、子供のお迎えでほんの少しの間だけ、洗濯物を干す数分だけ……という時間でケアが行き届かない場合もあります。
昔は日焼け止めなんて存在していなかったのですが、それでも「色の白いのは七難隠す」というように、透き通るような白い肌は美しさの条件とされており、昔の女性はあれやこれやと自然の物でいかに白く、美しくなれるかを模索していました。
そんな昔の知恵から、シミ・くすみを今から予防できる、簡単で肌に優しいケア用品の作り方をお伝えします。
米のとぎ汁は日本人の最大の美の知恵
美しい白い肌は、白いお米から……。
そう、江戸時代よりももっと昔。平安時代からお米は美しい肌を作る化粧品として貴族、そして一般市民にも利用されてきました。
一昔前まではお米は玄米の状態で手に入れて、ぬかを省いて精米していましたが、このぬかの部分に「メラニン色素の生成を抑え、保湿してくれるセラミド」「新陳代謝を促すビタミンB群やミネラル」などがたくさん含まれていたのです。
ですので、農家の女性や江戸時代の女性はぬか袋で顔をマッサージしていたのですが、今の日本ではぬかは少し手に入りにくいですよね。
そんなときには「米のとぎ汁」。
お米を研いだ時のあの白いとぎ汁には、まだ精米過程で取り切れなかったぬかの成分が含まれていて、そのまま捨ててしまうにはもったいない状態。
せっかくなので、パックとして使用してみましょう。
やり方は簡単。
- 一度お米をさっと水に流し、お米についた埃やゴミを洗い流しましょう。
- その後、お米をといだ1回目のお水だけをボウルなどの、他の器に移して保存。
- 研いだお米はその後も普通に研いで、炊飯器に入れたら、あとは美容タイム。
先ほどの1回目の米のとぎ汁の「上澄みだけを捨てて」、底の方に残ったぬか成分を顔に薄く塗って、軽くマッサージしていきましょう。
この時、強くこすってしまうと、くだけたお米の破片などで肌が傷ついてしまう可能性があるので、あくまでも軽く、肌に伸ばす感じに。
顔全体にぬかが塗れたら、ぬるま湯で洗い流せば完了。
お米をとぐたびに米のとぎ汁パックをすることで、白く、しっとりとした肌に近づいていきます。
ビワの葉化粧水で活性酸素をシャットアウト
紫外線やストレスによって、私達人間の体には「活性酸素」というものが発生します。
この活性酸素はシミや肌のくすみの原因となってしまうため、できれば抑えていきたいところなのですっが、ビワの葉には「アミグダリン」という成分があり、このアミグダリンには活性酸素から生まれる「過酸化脂質」を防いでくれる上に、肌の透明感を守ってくれる効果があるのです。
しかもビワの葉に含まれるタンニンには収れん作用があるため、毛穴の引き締め効果があります。
ビワは比較的どこにでも自生しており、葉っぱも手に入れやすいため、ビワの葉で作る化粧水は昔から存在していました。
そんなビワの葉化粧水の作り方をご紹介します。
- ビワの葉を手に入れたら、たわしで葉っぱの裏側のチクチクとした毛を洗い流し、陰干しします。
- しっかりと干したら軸を取り除き、3センチほどの幅に切ったら広口ビンに入れ、ホワイトリカーをそそぎ、冷暗所で3か月ほど保存します。
- 3か月たったら、ビワの葉を漉したホワイトリカー80mlと精製水100ml、そしてグリセリンを20ml混ぜてスプレーボトルに入れて完成。
この作ったビワの葉化粧水は、冷蔵庫に保管しても1か月ほどしかもちませんが、ビワの葉の濃縮エキスは長期保存が可能ですので、ビワの葉が取れる時期になったら作っておき、いつでもビワの葉化粧水を使えるようにしておきましょう。
アルコールに弱い方には使えませんが、100%無添加で肌に優しい化粧水です。
夏限定「スイカ化粧水」
夏の風物詩「スイカ」。
このスイカは水分補給と同時に、汗と共に失われがちなシトルリンやカリウムの補給をしてくれ、塩分を摂り過ぎた際も尿と一緒に排出させてくれる効果がある、夏にうってつけの食べ物です。
ですが、スイカは食べるだけではなく「肌につけても優れた効果を発揮する」、夏の最強食材なのです。
実は昔から、スイカはパックや化粧水として用いられており、スイカの果肉・果汁を取り扱う女性の手が白く美しいことに研究者が着目したことで、スイカのシトルリンに血管若返り効果と、潤い効果、さらにはターンオーバーを促してくれる作用があることが分かりました。
美白効果のあるリコピンもあるので、夏の間に夏の紫外線から肌を守る化粧水として使ってみることをお勧めします。
スイカの化粧水の作り方はとても簡単です。
- スイカの果肉から種を取り除き、赤い果肉をすりおろします。
- そのすりおろしたスイカをガーゼで漉して、スイカ果汁と同量の精製水で薄めて完成。
- これをスプレーボトルに入れて、冷蔵庫に保存。
外出から帰ってきて顔が火照っているときやお風呂上りなど、こまめにスプレーしていきましょう。
因みに保存期間は3日。
夏にスイカを食べる度に作ってみるのも良いでしょう。