冬においしいニラの知恵ある食べ方
安いだけじゃない! 冬のニラは先人の知恵が詰まった栄養食材だった
いつもあるように思えて、実は11月~3月の冬シーズンが旬の「ニラ」。
お鍋に入れたり、お肉と一緒に痛めたり。
香りが強いわりに味に癖がないので、何かと重宝する葉物野菜ですが、ニラは栄養分の多い野菜が少なくなる冬にうってつけの滋養強壮野菜。
大昔は冬になると肉となる野生動物も少なくなり、常に飢餓との戦いでした。
そんな生活から人間を守ってくれていたのが、ニラなのです。
冷え性の改善はもとより、風邪予防にも良いニラを最高の状態で食べられる昔の知恵をお伝えします。
ニラの栄養分は冬野菜でも最高峰!?
ニラは、日本最古の文章「古事記」にも加美良(かみら)という呼ばれ方で登場しており、はるか昔から食べられていたことがわかります。
一説によると、3,000年以上も昔から栽培されているというほどの歴史ある葉野菜で、栄養価も抜群。
ビタミンB1が豊富で、疲労回復どころか、免疫力向上に役立ち、あのニンニクや玉ねぎで有名な栄養素「硫化アリル」が入っているので、血液サラサラ・動脈硬化予防に役立ちます。
ただし……残念なことに、ニンニクや玉ねぎなどの、この硫化アリルの匂いを嫌う仏法僧の世界では、禁葷食(きんくんしょく)として、さけるべき食べ物になってしまっています。
ですが、体を温める作用もあるため、冷え性改善や、腰痛の人にはとてもお勧めの食材なのです。
ニラと間違えやすいあの植物は猛毒
年に一度はニュースになってしまう「ニラと間違えて『スイセンの葉っぱ』を食べたことによる中毒死」というのがあります。
スイセンは葉っぱはニラに、球根は玉ねぎやノビルに似ているため、よく間違えて食べてしまうという事件が発生するのです。
スイセンは花から球根まで、たった10グラムで人を殺せるほどの毒が入っており、食べるとすぐに吐き気、下痢、めまいなどを生じ、最悪死に至ります。
ですが、スイセンはあのニラのような匂いはしません。
不安になったら、まず匂いを嗅いでみましょう。
また、庭に勝手にニラが自生するようなこともほぼないため、庭にあるニラを採って食べたり、河原にあるスイセンの葉っぱをニラだと思って採ったりしないように気をつけましょう。
ニラのおすすめの食べ合わせ
ニラはその「体を温める作用」と「免疫力向上作用」の観点から、北海道や東北地方などの寒い地方でよく食べられていました。
基本的にニラに求める効果は、この2点だとすると……。
そう、滋養強壮パワーを向上させてくれる食材と食べ合わせるのがベストです。
滋養強壮におすすめ「+エビ+卵」のニラ餃子
エビはあの小さな体で、驚きの跳躍力を見せるパワーを秘めた筋肉の塊りのような食材。
特に精力をつけるときには最適で、そこに完全食品である卵を加えることによって、ニラのパワーを最大限に生かしてくれます。
ニラ+エビ+卵を一緒に食べられるおすすめの料理は「エビ餃子」。
中国では正月料理としておなじみの、体を温める最高の一品です。
【簡単エビ餃子の作り方】
■材料■
- エビ
- 卵
- ニラ
- 豚ひき肉
- ニンニク
- 生姜
- ごま油
- 餃子の皮
- ポン酢
■作り方■
とにかく簡単に作るのが続けられるコツ。
- エビは殻を剥いて頭としっぽを取り、細かく刻みます。
- ニラも細かく刻みます。
- ボウルにエビ・ニラ・豚ひき肉・すりおろしたニンニク・すりおろした生姜・ごま油を加えてよく混ぜます。
- 混ざったら卵黄を落とし込み、更に混ぜ、出来た餡を餃子の皮で包んでいきます。
※この時、卵白は捨てないようにしましょう※ - お鍋にお湯を沸かし、沸騰したところで餃子を入れて、しっかり中まで火を通したら完成。
- ポン酢をつけていただきます。
餃子を作るのは手間だと思いますが、中国式の水餃子にすると、あとはタレをつけて食べるだけなので、とても簡単です。
疲労回復には「+豚肉」の簡単炒め物
豚肉は疲労回復に最適で、ビタミンB1の量も牛や鳥よりもあります。
そこに同じくビタミンB1の豊富なニラを加えることによって、硫化アリルの力でビタミンB1の吸収率を上げられるので、疲れた体に最適です。
食べ方としては、レシピを上げるほどでもないほど、簡単。
フライパンに油をひいて、細く切った豚肉と、食べやすい大きさに切ったニラを一緒に炒めて、小姓と、塩、もしくはお醤油で味を整えて完成。
疲れているときこそ、調理は簡単にしたいところ。
ざっと作って、疲労回復を促しましょう。
ニラの損をする食べ方
ニラは栄養価の高い優れものの食材ですが、ハチミツとの相性はイマイチ。
ハチミツはニラのビタミンCの働きを弱めてしまうほか、共に便通作用があるので、相乗効果で下痢になりやすくなってしまいます。