海のミルク『牡蠣』は古来から愛されていた天然の漢方薬
ストレスに負けない体を作るには『牡蠣』が最も効果的!?
今も昔も人々を引き付けて止まない「牡蠣」。
日本人のように魚や貝などを生で食べる習慣のない西洋人ですら、牡蠣小屋……すなわちオイスターバーで生牡蠣を楽しむ習慣があります。
それは、牡蠣には計り知れないほどの栄養があるから。
『海のミルク』と呼ばれる牡蠣は、その殻すら「ボレイ」と呼ばれて漢方薬とされています。
そんな牡蠣を隅々まで知り尽くし、現代社会を生き抜く力をもらいましょう。
牡蠣のとてつもないパワー
牡蠣には、「体を潤して血を補い」「イライラ・不安・憂鬱を解消する」という作用がある上に、亜鉛・マグネシウム・銅などのミネラル分が豊富で、海のミルクの名にふさわしく、慢性的な疲労や不眠などを解消してくれます。
そもそも、鉄分も豊富で、解毒作用もあるため、肝機能を高め、貧血予防と美肌効果があるとして、古来より身分の高い女性に好んで食べられていました。
鉄分を補ってくれるにも関わらず、タウリンが豊富なため、高血圧予防もしてくれる、まさに至れり尽くせりの貝。
漢方では、この牡蠣の殻を焼いたものをボレイと呼び、免疫力アップ・精神安定・高血圧予防・多汗症の改善・動悸予防・不眠症改善などと、あらゆる不調に効果的であると、よく処方されています。
このボレイ、漢方薬として薬局で売っていたり、漢方を取り扱っている病院で処方されたりという以外でも、自分で殻を焼いて砕いて作ることができるので、ぜひ牡蠣を購入する際は殻付きの物を買ってみることをお勧めします。
牡蠣が怖い人の注意点
栄養があって、美容にも健康にも良い牡蠣。
ですが、牡蠣は足が早く、さらに、場合によっては雑菌を含んでおり、食べることによって、食中毒になったり、ノロウイルスに感染することもあります。
一度牡蠣で当たってしまうと、その後、他の人と同じだけ牡蠣を食べても当たるようになったり、蕁麻疹が出たりするようになってしまうので、出来る限り牡蠣には当たりたくないところ。
実は牡蠣には種類によってシーズンが異なり、一般的に認識されている真牡蠣は秋~冬がシーズンなのですが、岩牡蠣のシーズンは夏。
そして、夏の岩牡蠣は意外と他の種類の牡蠣と比べて食中毒を起こしにくく、比較的安心して食べることができます。
とはいえ、実はどんな牡蠣にも微量の雑菌は入っています。
健康な人は食べても問題ないのですが、それでも10個も20個も生で食べ続けたら食あたりを起こしてしまうことがあります。
ましてや消化不良を起こしがちだったり、ウイルスに弱い体質の人、お腹が弱い人は下記を食べる際は「大丈夫だ」と思う個数を把握しておき、それよりも1~2個少ない数を食べるようにしましょう。
また、一度牡蠣に当たってしまった人は、体が落ち着くまで牡蠣を控え、どうしても食べたい場合はフライなど火を通したものを食べるようにしましょう。
牡蠣を隅々まで食べつくそう
牡蠣の上手な利用法は、「殻」まで食べつくすこと。
まず、殻付きの物を買ってきた場合、食中毒の危険性を少しでも減らすため、牡蠣を殻から外したら濃い目の塩水でもみ洗いし、しっかりと汚れを落とし、さらに酢で洗って殺菌することで、表面上の雑菌をやっつけることができます。
保存する際は、たとえ1~2時間でも冷蔵庫が基本。それでも、痛みやすいので、買ったその日に食べきらない場合は、牡蠣の表面に小麦粉・卵・パン粉を浸けてしっかりフライの下準備をしてから冷凍しましょう。
フライの衣をつけることで表面の冷気から牡蠣が守られ、エキスが出ることを防げます。
最後に、牡蠣の殻は直火で炙り、白っぽくなるまで火を通したら、細かく砕き、大体15グラムずつを小分けにお茶のパックに入れておきましょう。
それを水で15分ほどに出して飲むと、カルシウムは骨粗しょう症予防、そのほかミネラルが精神安定や高血圧予防の効果をもたらしてくれるでしょう。
牡蠣のおすすめの食べ合わせ
【+春菊で貧血予防に】
牡蠣の鉄分は貧血予防に最適なんですが、そこに春菊の「血の浄化作用」を+アルファすることで、最高の貧血予防の一皿ができます。
簡単なレシピは、小麦粉を付けた牡蠣と適当な大きさに切った春菊をごま油で炒め、塩、もしくは粉末中華出汁で味付けをしたもの。
簡単で、かつおいしく、貧血予防ができます。
【+牛乳&干しシイタケでストレス緩和に】
欧米では牡蠣をミルクで煮た、牡蠣のミルク煮がメジャー。
牛乳にも牡蠣にもカルシウムが豊富で、イライラしているときにはその高ぶった神経を鎮めてくれます。
そこに、日本のおいしいダシ干しシイタケの戻し汁を加えることで、ビタミンDがカルシウムの吸収を助けてくれるため、さらにストレス緩和効果が高まります。
レシピはこれも簡単。
洗った牡蠣をミルクと同等のシイタケの戻し汁で煮て、コンソメと塩と胡椒で味付けするだけ。
牡蠣だけではなく、スープも残らず飲んで、栄養を120%余すことなく飲み込みましょう。