軽く見られがちな低血圧を改善する昔ながらの知恵
昔の人も悩まされていた!? 地味に辛い低血圧を改善する先人たちの知恵
血圧が上100以下、下60以下の数値を「低血圧」と定義しているのですが、この低血圧、高血圧に比べて命に係わる問題はないと医療的にも問題視されることはありません。
ですが、血圧が低い場合
- 朝起きれない
- 吐き気がする
- 頭がボーっとする
- 慢性的な頭痛に悩まされる
- 眠くもないのにあくびが止まらなくなる
- 体がだるい
などといった不調に悩まされるケースが多く、生活に支障をきたすケースもあります。
当然、病院に行っても治療の対象となることも少なく、立ち上がった際に脳貧血を起こし、倒れてしまった……などという場合でないと血圧を上げる薬を出してもらえないことも。
もちろん、血圧を上げる薬と言っても、飲むのをやめたら再び血圧は下がってしまいますし、副作用もあります。
早寝早起き、労働が一番だった昔は、低血圧は死活問題。
ちょっと体の調子が悪いから……といって寝ていられるのは、大金持ちの商家の奥様や貴族の奥様くらい。
そんな昔の人はどのようにして、低血圧からくる不調を緩和させていたのでしょうか?
日本オリジナル?低血圧の薬「丸玉」
「ちょっと体がだるくて……」「顔色が悪くて朝起きるのもつらい……」
そんな低血圧の人に、昔の薬師は「丸玉」という薬を出していました。
その材料は「ニンニク・黒ゴマ・ハチミツ」の3種類。
【丸玉の作り方】
ニンニクを一房分すりおろす。
- 黒ゴマ1カップを入り、すり鉢で8分ほど擦る。
- ①と②を混ぜた中に、ハチミツを適量入れてよく練る。
- 堅さがある程度出たら、1つを大豆くらいの大きさに丸くする。
- 消毒をした瓶の中に入れて1か月ほど寝かせれば完成。
ニンニクの血行促進効果と、ハチミツのパワー。そして、ゴマは血管収縮効果があり、これらを混ぜた丸玉を飲むことによって、血圧が上がるようになるのです。
量は、1日2回、1回2~3粒ほど。
効き目が強いので、多く飲むと血圧が上がり過ぎたり、ニンニクによって胃腸にダメージが及ぶ場合がありますので、血圧を見ながら丁度よい量を飲むようにしましょう。
サフラン酒は低血圧の薬だった!?
サフランはサフランの花の柱頭だけを使った、貴重なスパイスなのですが、血のめぐりを良くする効果があるとして、昔から薬として利用されてきました。
いまでは「サフランライス」など、黄色い着色をしてくれる自然のスパイスというポジションにあるのですが、その効果は健在。
サフランを小さじ1杯入れた容器に、日本酒0.9リットルを加え、それを1週間寝かせたサフラン酒は血流を促進し、血圧を整えてくれる薬酒。
寝る前にお猪口に1杯飲めば、低血圧が改善されていくでしょう。
もちろん、お酒が入っているので、妊娠中の方にはNGですが、サフラン自体に子宮を刺激する成分が含まれているため、女性疾患がある場合は避けるようにしましょう。
低血圧を改善する食材はたくさんある
低血圧の人に向いている食材は「高タンパク・高エネルギー」なもの。
ミネラルやビタミンB群が豊富な食べ物で、低血圧改善に効果的な食材を紹介します。
【ホタテの貝柱】
ホタテの貝柱にはタンパク質・カルシウム、鉄分、ナトリウムなどの他に、カリウムを代表とするミネラルとビタミンB1、B2が豊富に含まれています。
アミノ酸のバランスも良いため、血圧が低い方にはぜひ毎日少しずつ食べて欲しいところ。
お勧めの食べ方は、ホタテの貝柱を干物にした、おつまみのようなものをスープに入れる。
あるいは、そのままおやつの時に食べること。
消化がよいので、毎日食べても大丈夫なのが嬉しいところです。
【イワシの丸干し】
めざしやイワシの丸干しなど、イワシの干し物にはたくさんのカルシウムと鉄分が含まれています。
また、低血圧の人には積極的にとっていきたい塩分も含まれているため、低血圧改善にはお勧めの食材。
日本は昔から漬物や魚の干物など、塩分が多めの食べ物が多かったのですが、それゆえに現代の減塩生活だと逆に血圧が下がってしまうDNAになってしまったのかもしれませんね。
【かぼちゃの種】
意外なところで、かぼちゃの種にも低血圧改善の栄養素がたくさん含まれています。
かぼちゃの種は高タンパク高エネルギー。
ミネラルやビタミン類もかなり豊富で、1日10~15粒食べるだけで、低血圧改善の他、白髪防止や肌荒れ防止などの効果が期待できるのです。
ですが、かぼちゃの種は栄養が豊富過ぎるため、あまり多く食べてしまうとお腹を壊したり、ニキビができてしまったりする可能性があるので、塩分と同様、ほどほどの量にして食べるようにしましょう。