ジビエは昔の知恵の結晶 鹿肉で補うパワーの知恵
体を温め精力をつける鹿肉料理は食糧難だった時代の先人たちの知恵料理
ジビエ料理と言えば、イノシシのお肉やクマの肉などがありますが、中でも最も人気なのは「鹿肉」ではないでしょうか?
今の日本では、ディズニーアニメのバンビや、奈良のおやつをねだる鹿のイメージが強く「食べるなんて可哀想!!」と思う人が多いかもしれませんが、それは、牛や鳥、豚を飼育し、それが半ば当然のように市場に出回り、手軽に手に入る今の時代だからこそ。
牛や豚を食べる習慣がなく、肉と言えば山で漁師が命がけで狩りをしてきた獣がご馳走だった時代、鹿の肉は最も美味しく、最も代表的な日本のお肉で下。
そんな鹿肉。
薬膳としては体を温め、精力をつける成分があるとして、冬に食すとよいお肉とされています。
スーパーなどで手軽に手に入るお肉ではありませんが、もしジビエ料理屋などに行った場合、真っ先に食べてもらいたいお肉ですので、こちらで紹介したいと思います。
鹿肉に期待される驚きの効果
鹿肉にはタンパク質はもちろん、鉄分、亜鉛、ビタミンB群、そしてナイアシンと高タンパク・低カロリーな栄養素が含まれています。
そのため、鹿肉は加齢による冷え性や耳鳴り、疲労を改善してくれるため、猟師は鹿を狩ると、まず自分が鹿鍋にしてエネルギーを補い、明日の狩の力にしていました。
また、鉄分が豊富なため、足腰を丈夫にしてくれる他にも、貧血予防や、虚弱体質の不妊、産後の体力低下などにも効果があると言われています。
ですので、よく、日本の昔話などで、奥さんの産後の肥立が悪いと夫が鹿狩りに行く描写があったり、なかなか子供を授からない夫婦が、鹿のお肉を食べたものの罰が当たって……という話が残されているのです。
実際罰が当たるようなことはありませんし、鹿肉は心身両方の力を蘇らせ、若返りにつながるとされている、スーパーパワーフードだったのです。
おすすめ鹿肉の食べ方
現代ではネット通販などで鹿肉を手軽に手に入れることもできますが、いざ、鹿肉が手に入ったとしても同調理してよいかわかりませんよね?
そこでお勧めの鹿肉レシピを2つ紹介したいと思います。
【冷え性・不妊体質改善にオススメ『温か鹿肉スープ』】
鹿肉は柔らかく、臭みも他のジビエ肉に比べてない方なのですが、やはり気になる部分はあります。
- 鹿肉はまず、塩と酒を回しかけて、しっかり血を絞り出すようにして揉み込みます。
- そして、水を入れて洗い流し、それを血の色があまり出なくなるまで繰り返します。
- 何となく肉から血の色が抜けて白っぽくなるくらいでOK。
- その後、普通のお肉と同じように、調理していきます。
今回の温か鹿肉スープは、体を温める素材をガッツリ入れたホカホカレシピ。
■材料■
- シナモン
- 紅花
- 当帰
- コンソメスープの素
- 鹿肉(下処理済み)
■作り方■
①圧力なべに食べやすい大きさに切った鹿肉、紅花、当帰、シナモン、コンソメスープの素、鹿肉を入れて、しっかりコトコトお肉が柔らかくなるまで煮ます。
②お肉にスっと箸が通るくらいになったら、出来上がり。
塩気が足りないときは、岩塩などを入れて味を整えましょう。
ほぼ、薬膳料理ですので、味付け的には高齢者が好みそうな味になってしまいますが、優しくて、体を芯から温めてくれる一皿になります。
【若返りに鹿肉ステーキ】
高タンパク低カロリーな鹿肉は、美容にももちろん最高。
特に、若返りの力があるとされていますので、赤ワインを使って、臭みを消し、血を巡らせて、栄養を全身に行き渡らせましょう。
■材料■
- 鹿肉
- キノコ類
- 赤ワイン
- ニンニク
■作り方■
①油を熱したフライパンの中に、スライスしたニンニクを入れ、焦げ目がつくまで火を通します。
②ニンニクがカリっとしたら、その中に鹿肉を入れ、中まで火を通してい焼いてきます。
③仕上げに赤ワインを入れフランベし、塩コショウで味付けしたら鹿肉はお皿に上げます。
④残った赤ワインソースの中に、キノコ類を入れ、再度フライパンを加熱して火を通したら、それもお皿に入れてて完成。
赤ワインは鹿肉のクセを消し、さらにお肉を柔らかくしてくれます。
また、キノコを食べることによって食物繊維も取れるため、体の中からきれいになることができます。
鹿肉はのぼせ体質の人は要注意
美味しくて、体を温めることに優れている鹿肉ですが、暑がりな人、のぼせ体質な人、熱がある人などは余計熱くなってしまいますので、控えるようにしましょう。
鹿肉は「冬」にとるのがおすすめのお肉なのです。