遊びすぎた夏に……筋肉痛に良く効く昔ながらの知恵
筋肉痛は湿布を貼るより昔ながらの知恵で解決!!
夏休み。
いつもよりもはしゃいで遊び過ぎて、次の日に足や腕がイタタタ……となってしまう事の多い、筋肉苦痛。
筋肉痛は、激しい運動はもちろん、雑巾がけなど同じ動作を何度も繰り返すことによって、筋肉が傷ついていき、その修復の際に炎症が起こって発生する痛み。
2~3日安静にしていれば治るものですが、次の日から普通に仕事などがあるときなど、さすがに不愉快だし、動きにくくなってしまうので、手っ取り早く湿布を貼る……という方も多いのですが、それはちょっと待って!!
湿布はもちろん効果的なのですが、場合によっては湿布に使われている薬で皮膚が炎症したり、蕁麻疹が出てしまうこともあります。
筋肉痛はごく普通に起こる自然現象のようなもの。
その度に、皮膚が炎症してしまう危険を冒すこともありません。
昔の知恵を使えば、ナチュラルに、そして身体に優しく、素早く筋肉痛を落ち着かせることもできるのです。
筋肉痛が酷い時は1に冷やして炎症を鎮め、2に先人達の知恵で炎症から早く回復するようにして見ましょう。
玉ねぎと大根とショウガの湿布
酷い筋肉痛は、肉体労働が主だった昔の日本人でもあり得る話。
かつての先人達は、酷い筋肉痛のときはマッサージなどはせず、まず井戸水や川で体を冷やし、それから湿布を貼りました。
湿布と言っても、今のように薬局に温湿布・冷湿布が売っているわけではありません。
玉ねぎと大根とショウガという、極身近な食材で、良く効く湿布を作ったのです。
まず、玉ねぎを50gほど用意し、皮を剥いてすりおろします。
そして、大根50gとショウガ1片は皮ごとすりおろして、すりおろし玉ねぎと一緒に混ぜます。
それをガーゼなどにのせて、傷む幹部に貼り付けたら完了。
あっという間に、湿布のできあがりです。
玉ねぎには疲れをとる力があり、大根とショウガには炎症を抑える力があります。
そのため、風邪を引いたときなどにはスープにして飲んだりするのですが、湿布として体の外に貼ったとしてもその効果は一を癒してくれるのです。
乾いたら新しいものに取り替えて、1日くらい貼っておくと、翌日にはビックリするくらい身体がすっきりしているでしょう。
ダルイ・重いといった筋肉痛にはセリ湯
痛いわけではないのだけど、体がだるかったり、足が重かったり……ということもありますよね。
それは、炎症はしていないものの、乳酸が筋肉に溜まっている状態で、代謝されずにいるから。
これも一応筋肉痛の部類に入るのですが、このような筋肉痛はマッサージなどをして血行を良くした方が早く治ります。
オススメは、マッサージしながらの入浴。
特に、昔の人は血流の流れを良くしてくれる薬草を使ってさらなる効果を得ていました。
その薬草とは『セリ』。
春の七草の一つでもあるセリは、血行を促進してくれる『テルペン類』という成分が含まれているので、お風呂に入れて入浴剤として使う事で、普通よりも更に血の巡りがよくなるのです。
もちろん、爽やかな香りも気分を良くしてくれます。
セリの入浴剤の作り方は簡単。
セリを洗って、根っこを落とし、半日ほど陰干しししたら、ネットなどに入れて、入浴時に浴槽に入れるだけ。
「足がダルイ」「肩が張っている」など疲れが判る場合は、その患部にセリを入れたネットを当てて、マッサージするとより効果的です。
しょうぶ湯に含まれた疲労回復パワー
しょうぶ湯と聞くと5月5日のこどもの日に入る、魔除け的な昔の風習……と思いがちですが、じつはこのしょうぶ湯、肉体疲労回復に優れた効果があるのです。
菖蒲は元々、「勝負」や「尚武」といった語呂の良い名前から縁起が良いとされ、武士が憧れだった昔は男の子の健やかな健康と、武士への夢を願ってこどもの日に入るようになったという説があります。
ですが、菖蒲にはアザロンやオイゲノールといった成分が含まれており、それが良い香りの素となる他、肉体疲労の回復に非常に効果的と言われています。
筋肉痛や筋肉疲労といったことがなかったとしても、しょうぶ湯に入ることで日頃の疲れを癒やすこともできますので、5月5日にこだわらず、菖蒲の時期に購入した菖蒲の葉を陰干しして、袋などに入れておき、ちょっと疲れたな……と感じた時などに入浴剤としてお風呂に浮かべて入ると良いでしょう。
その際は、大きく深呼吸をして、その清々しい香りも堪能して心身共にリフレッシュしましょう。